2023.11.21
健康

【医師監修】整腸剤は本当に効果がある?便秘薬との違いや選び方・飲み方などを解説!

整腸剤は、私たちにとって、身近な薬のひとつです。

しかしその名称は把握していても、詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。

今回は整腸剤の効果や選び方、飲み方などについて解説します。

整腸剤(整腸薬)とは?

整腸剤とは、腸内環境を整える薬で、乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などをそれぞれ主成分としています。

腸内にこれらの菌を補うことで、軟便や便秘などを改善へ導いてくれます。

整腸剤と便秘薬の違いは?

整腸剤と便秘薬の主な違いは、成分と作用のメカニズムです。

整腸剤は、腸内環境を整える薬です。整腸剤はビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌、糖化菌など、人間の腸に由来する菌を成分とします。腸に刺激を与えるわけではないため、腹痛が起こりにくいのが特徴で、穏やかに作用します。

便秘薬は、腸を刺激することや、便をやわらかくすることなどで便秘を解消する薬で、刺激性便秘薬と非刺激性便秘薬の2種類があります。

・刺激性便秘薬 ......大腸に刺激を与え、ぜんどう運動を促進し排便を促す。
・非刺激性便秘薬 ......便の水分を増やしたり柔らかくしたりして、排便を促す。

刺激性便秘薬は比較的効果が高い反面、直接腸を刺激するため腹痛が起きやすく、長期間の服用はできません。

整腸剤が便秘にも軟便にも効果があるのはなぜ?

整腸剤が便秘と軟便の両方に効果があるのは、どちらも腸内細菌の乱れが関係しているからです。

便秘や軟便は、腸内細菌の1つである、悪玉菌が増えると起こりやすいと考えられています。

そのため、腸内環境を整える効果のある整腸剤を服用することで、悪玉菌が増殖しにくくなり、便秘や軟便の改善が期待できます。

整腸剤の種類は?

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ここでは、さまざまある整腸剤の種類について解説します。服用を考えている方は、メリット、デメリットをしっかり確認しておきましょう。

1:ビフィズス菌

ビフィズス菌は乳酸菌の一種で、おもに大腸に存在しています。腸内に定着しやすい性質を持ち、さまざまな種類があります。

・メリット
ビフィズス菌には、糖を分解して乳酸と酢酸を作る働きがあります。酢酸は強い殺菌作用と悪玉菌の増殖を抑える作用を持ち、腸の粘膜を保護してくれます。腸の運動を促進するため便秘や軟便の改善も期待できるのです。

・デメリット
ビフィズス菌は体内に留まりにくく、加齢などで減少する性質を持ちます。またビフィズス菌は酸に弱く、生きたまま腸まで届けることが難しいと考えられています。
腸内に存在しているビフィズス菌を増やすためには、その材料となるオリゴ糖などを摂取することが大切です。

2:乳酸菌

乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作りだす細菌類の総称です。主に小腸に存在し、腸内を弱酸性にする働きがあります。

・メリット
乳酸菌には、腸内を弱酸性にする働きがあります。悪玉菌は弱酸性の環境では増殖しにくい特性を持っているので腸内環境が整い、軟便や便秘が改善します。

・デメリット
乳酸菌そのものに、デメリットはほとんどないと考えられています。

3:納豆菌

納豆菌とは枯草菌と呼ばれる菌の一種で、納豆を作るときに必要な菌でもあります。納豆菌が作る「ナットウキナーゼ」は、強い抗菌作用を持っています。

・メリット
胃酸に強く、腸内のビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を活性化させる作用を持ちます。悪玉菌の増殖を抑える働きもあるため、軟便や便秘に効果が期待できます。

・デメリット
納豆菌はその生命力の高さから、過酷な環境でも生き抜くことが可能です。そのため摂取しすぎると腸内で増えてしまうことがあります。

4:酪酸菌

酪酸菌は、酪酸を作る菌の総称です。腸に届いた食物繊維や糖や炭水化物を分解し「酪酸」を生成する働きを持ちます。さらに、腸内細菌の中で唯一、酪酸を作り出すことができます。

・メリット
酪酸は善玉菌の働きを活性化し、悪玉菌の働きを抑制する作用があります。腸内環境の改善や免疫機能の向上、アレルギー予防・軽減にも役立つと考えられています。

・デメリット
酪酸菌そのものに、デメリットはほとんどないと考えられています。

整腸剤の選び方

ここでは、整腸剤の特性を踏まえながら、整腸剤の選び方について解説します。

・胃もたれしている場合
胃もたれしているときは、納豆菌が配合された整腸剤を選ぶとよいでしょう。納豆菌は胃酸に強く、乳酸菌やビフィズス菌を増やす作用があるため弱った胃腸の状態の改善が期待できます。

・おならのにおいが気になる場合
おならのにおいが気になる場合、腸内環境を普段から良好に保つことが大切です。腸内環境のバランスを普段から整えるためにも、ビフィズス菌や乳酸菌が配合された整腸剤を選ぶとよいでしょう。

整腸剤の飲み方

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ここでは、実際に軟便を改善するために整腸剤を飲む場合の、正しい飲み方について解説します。

整腸剤を飲むタイミング

整腸剤に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの菌は、胃酸の影響を受けると死滅してしまいます。そのため、基本的には胃酸がでやすい食前は避け、食後、もしくは食後時間がたってから飲むのがよいでしょう。

ただし生薬系の整腸剤など、食間や食後に服用するものもあるため製品の指示通りに飲むことが重要です。

整腸剤の効果を感じられるまでの期間

整腸剤の軟便に対する効果は、腸内環境が整うことによるものです。腸内環境が整うにはある程度の時間がかかるため、整腸剤の効果はすぐには現れません。

乳酸菌などの成分が腸内に定着する期間が2週間程度ということもあり、一般的に、整腸剤の効果を感じられるまでには2週間程度かかると考えられています。

整腸剤によくあるQ&A

整腸剤の成分は熱に弱い?

整腸剤に含まれる乳酸菌は、熱に弱いといわれています。種類による差はあるものの、「75℃以上で15分間加熱する」と、ほとんど死滅すると考えられています。


引用: 一般社団法人日本乳業協会「乳と乳製品のQ&A」

飲み忘れ防止に、1日の用量を一度にまとめて飲んでもいい?

基本的には製品の指示通りに飲むことが推奨されます。

1ヵ月間飲んでみたが効果を感じなかった。もう飲まない方がいい?

腹部膨満感やアレルギー反応などの副作用が生じる可能性はあるものの、基本的にリスクは小さいため飲み続けても問題ないと考えられます。

ただ体質にあっていない場合もあるので、2週間程度飲んで効果が感じられない場合、別の整腸剤に変えてみてもよいかもしれません。

一方、1ヶ月間服用しても効果が感じられない場合には、なんらかの病気が隠れている可能性もあります。医師や薬剤師に相談することも検討しましょう。

長く飲み続けると慣れて効かなくなる?

整腸薬の成分は、腸内環境を整えることをおもな目的としていて、刺激性の便秘薬のように長く飲み続けることで効かなくなる心配はありません。

特に乳酸菌などは、一度摂取しても減ることがあるので、習慣的に飲み続けることが大切です。

まとめ

整腸剤は、腸内環境を整えることで、便秘や軟便の改善を目指す薬です。

それぞれに効能や特徴などがありますので、どれを選べば良いかわからない場合は、薬剤師や登録販売者などに相談するのがよいでしょう。

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監修者:木村 眞樹子医師

東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。



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