2026.05.18
健康

【医師監修】葛根湯を飲むタイミングはいつ?風邪のひきはじめに効果的な飲み方について解説!

葛根湯とは

葛根湯(かっこんとう)とは、生薬で体を温め、免疫をサポートする漢方薬です。風邪のひきはじめで、寒気や発熱をともなうもの、鼻風邪・頭痛・肩こり・筋肉痛・関節痛などに効果があります。

ただし、漢方薬は体質などによって向き不向きがあります。葛根湯は中等度以上の体力(日常生活に影響がない程度の体力)があり、抵抗力もある人には向きますが、腸が弱い人や高齢で体力が低下している人には向きません。

葛根湯の成分

葛根湯に含まれる成分は下記のとおりです。

・ 葛根(カッコン)

マメ科の葛の根を乾燥させたもの。

・ 大棗(タイソウ)

クロウメモドキ科の棗(ナツメ)の、成熟した果実を乾燥させたもの。

・ 麻黄(マオウ)

マオウ科の植物、マオウの地上茎を乾燥させたもの。

・ 甘草(カンゾウ)

モンゴルや中国などに分布する、マメ科の多年草の根や根茎を乾燥させたもの。

・ 桂皮(ケイヒ)

クスノキ科トンキンニッケイの樹皮を乾燥させたもの。シナモンとしても知られています。

・ 芍薬(シャクヤク)

ボタン科シャクヤクの根を乾燥させたもの。

・ 生姜(ショウキョウ)

ショウガの根茎。

こうした成分が体の巡りをよくしたり、内側のバランスを整えたりすることで、効果が期待できます。

葛根湯はどんな症状に効くの?

ここでは葛根湯で改善が期待される症状について、それぞれ解説します。

風邪のひきはじめ

葛根湯は、風邪のひきはじめに服用することで効果が期待できます。緩和できる可能性がある症状は、発熱・寒気・頭痛・鼻水・鼻づまり・のどの痛み・肩や首筋のこわばりなどです。

・ なぜ「ひきはじめ」なの?

発熱・咳・鼻水などの症状はウイルスを排出しようとする防御反応です。風邪の初期段階では、ウイルスはまだ増殖していませんが、葛根湯はこの時期に体を温めて発熱を促し、ウイルスの排出を助けます。

人間の体は体温が上がると免疫機能が活性化し、ウイルスへの抵抗力が向上し、風邪の悪化を防ぐことにつながります。そのため、葛根湯はウイルスが増殖する前の「ひきはじめ」に飲むのが効果的なのです。

ウイルスが増殖して症状が進行すると、葛根湯の効果は低下します。また、症状が進むと、体は熱を下げるために汗をかきはじめますが、このタイミングで体温を上げる作用をもつ葛根湯を飲むと、体力を消耗させてしまうおそれがあるので、やはりひきはじめに飲むのが効果的です。

頭痛

風邪に伴う頭痛だけではなく、首や頭部の筋肉が緊張し血流が悪くなることでおこる緊張型頭痛にも効果が期待できます。

緊張型頭痛では頭が締めつけられるような痛みが生じ、首の痛みやめまい、肩こりをともなうこともあります。片頭痛で見られるようなひどい吐き気や嘔吐は、通常ありません。

肩こり

血行不良や筋肉疲労によって生じる肩こりにも、葛根湯による症状の改善が期待できます。ただし、肩こりの原因を解消しない限りは再発をくり返す可能性があります。

葛根湯の服用方法

葛根湯は、用法用量を守ることで効果を引き出すことができます。食前か食間に水かぬるま湯で飲みましょう。また、1回目に飲んでから2回目を飲むまでは4時間以上空けることが推奨されています。これは、1日の服用回数に関係なく、次に飲むまでには4時間以上空けるということです。

たとえば、1日3回の場合、8時に服用したときには次回は12時以降、12時に服用したら、次回は16時以降に服用します。

細粒・顆粒タイプは水や白湯を口に含んだ状態で薬を口の中に入れると飲みやすいでしょう。どうしても苦手な場合には、錠剤や液剤タイプがおすすめです。子どもは錠剤や液剤も飲みづらい場合があるため、服薬ゼリーを利用するのも有効です。

ただし、服薬ゼリーの使用の可否や用法・用量は製品によって異なるため、必ず商品の指示に従い、必要に応じて医師や薬剤師に相談してください。なお、生後3カ月未満の乳児は葛根湯を服用できません。

・ 飲み合わせにも注意が必要です。

たとえば、葛根湯に配合されている「マオウ」の主成分は、血圧上昇作用がある「エフェドリン」です。ほかのエフェドリンが配合された薬と併用すると、血圧上昇作用が強く出すぎて、心機能に悪影響が出るリスクがあります。エフェドリンは、風邪薬や咳止め薬などに配合されています。

また葛根湯に含まれる生薬「カンゾウ」の主成分「グリチルリチン」は、カリウムの排出を促進する作用があります。グリチルリチンが配合された薬と併用すると、血液中のカリウムの量が下がり、高血圧や筋力の低下などがあらわれる可能性があります。グリチルリチンは解熱鎮痛薬・胃腸薬・鼻炎薬など市販薬に広く使われています。

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葛根湯の効果を高めるセルフケア

葛根湯は、身体に本来備わっている力をサポートすることで、風邪の症状を緩和させる漢方薬です。そのため、効果を高めるためには身体の状態を整えることも重要です。

ここでは、葛根湯の効果を高めるために、自身でおこなえる身体のケア方法を紹介します。

身体をしっかり温める

風邪をひくと寒気(悪寒)やふるえ、全身の筋肉痛などがあらわれます。寒気やふるえの症状があらわれたら、布団をかける、部屋を暖かくするなどし、身体をしっかりと温めましょう。また、過労やストレスは自律神経のバランスを崩し、身体を冷えやすくするため、なるべく休息を取ることが大切です。

高い熱や嘔吐、下痢などの症状がなければ、基本的には入浴も問題ありませんが、体力を消耗しないよう、ぬるめの温度に設定し、早めに上がるのがポイントです。40度前後のお湯に5分程度浸かるとよいでしょう。

また湯上がりには脱水症状を招かないよう、水分をしっかりと補給することが重要です。

熱を無理に下げない

これまでは、発熱したら熱を冷ますのがよいと考えられていました。しかし近年、発熱は身体の防御反応であるため、熱を無理に下げないことが大切であることがわかってきました。

ただし、高熱が続くと体力も消耗するため、医師の指示に従って解熱剤を使用することが大切です。特に、体力のあまりない乳幼児や高齢者は、解熱剤を使用する・しないについてはより慎重に判断しましょう。

まとめ

葛根湯は、風邪の初期症状に効くと言われています。ただし、葛根湯は胃腸が弱い人や、高齢者、体力が低下している人には向きません。

また、葛根湯の効果は、身体にもともと備わっている力をサポートすることによるものです。

そのため、風邪への効果を高めるには、身体をしっかりと温めるなど、身体の状態を自身で整えることも必要です。今回、解説した内容を参考に、葛根湯を正しく使用しましょう。

監修者: 松本 学医師

兵庫医科大学医学部卒業 / 専門は呼吸器外科・内科 呼吸器リハビリテーション科

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