あかぎれとは? 症状を解説
あかぎれとは、皮膚の真皮にまで亀裂が入って、出血や腫れ、痛みなどが生じた状態のことです。乾燥などが原因で皮脂や皮膚の水分が奪われることで発症します。あかぎれと似たものに「ひび割れ」「手荒れ」「しもやけ」などがあります。
まずはそれぞれの違いについて確認しましょう。
ひび割れとの違い
ひび割れとは、皮膚に亀裂が生じた状態をいいます。
あかぎれは、ひび割れが悪化したもので、出血や痛みがある点がひび割れと異なります。
ひび割れとあかぎれは、発症する原因やメカニズムは同じですが、ひび割れができてしまった場合は、あかぎれに進行する前に予防策を講じることが重要です。
手荒れの違い
手荒れとは皮膚が乾燥してカサカサしたり、赤みや痒みが出たりするなど、手の皮膚に起きる炎症全般のことを指します。手湿疹とも呼ばれます。
この手荒れがさらに悪化すると皮膚に亀裂が入り、出血や痛みを伴うあかぎれになってしまうわけです。
しもやけとの違い
しもやけとは、冷たい空気や水にさらされることで血行が悪化して起こる皮膚の症状です。
手足の指先や耳たぶ、頬、鼻などの皮膚が痒くなったり、赤く腫れ上がったりするなどの症状が見られます。
あかぎれとの違いは、しもやけは寒さによる血行不良で起こるのに対し、あかぎれは寒さと乾燥で皮膚に亀裂が入ることで起こる点です。
あかぎれになる原因・メカニズムは?
あかぎれは、気温の低下や空気が乾燥した際に皮膚の水分が不足することが原因で起こるといわれています。
冬に気温が下がると、皮汗をかきにくく、皮脂の分泌量も低下するため、乾燥しやすくなります。
乾燥すると皮膚は弾力性を失い、関節の動きで引っ張られ、負荷がかかった時などに耐えきれず、皮膚の表面に亀裂ができることがあります。
この亀裂が悪化すると、出血や痛みなどの症状が出てくるあかぎれとなってしまうのです。あかぎれが起こりやすいのは、手の甲、手の指、かかとなどです。
日常生活であかぎれが発生しやすいタイミング
日常生活であかぎれが発生しやすいタイミングは、洗いものや手洗い後、入浴後など皮膚が乾燥している時です。
水や湯で皮膚のバリア機能が低下し、乾燥することが原因です。
水仕事などの後はしっかり水分を拭き取り、保湿をすることが重要です。
あかぎれが起こりやすい季節
一般的にあかぎれは、気温が低く空気が乾燥する冬に起こりやすいと考えられています。
しかし、あかぎれの原因は皮膚の乾燥であるため、夏でも水仕事などで皮膚が乾燥しているとあかぎれになる場合があります。
栄養不足
偏った食生活を続けていると、皮膚に十分な栄養が行き渡らなくなり、あかぎれなどの皮膚トラブルが起こりやすくなるといわれています。
特に肌の水分量にかかわるビタミンCや、皮脂分泌など皮膚の健康維持にかかわるビタミンB2・ビタミンB6といったビタミン群が不足すると、あかぎれになりやすくなります。
また体をつくる材料となるタンパク質が不足すると、皮膚の状態も悪くなり、あかぎれが生じるリスクが高くなります。
あかぎれになりやすい人の特徴
水や洗剤は、肌を保護する役割を担う「皮脂膜」を流し、肌の乾燥を招くため美容師や調理師、主婦など、水や洗剤に触れる機会の多い人はあかぎれになりやすいといえます。また冷え症の人は血流が滞りがちで、皮膚に十分な栄養が届きにくいため、あかぎれのリスクが高くなります。加齢とともに皮膚の水分保持力が低下するため、高齢者もあかぎれになりやすいでしょう。
アトピー性皮膚炎の人は、そもそも手に湿疹や炎症が起こりやすく、あかぎれも発症しやすいといえます。
あかぎれの予防方法
辛いあかぎれですが、あかぎれは予防することが可能です。主な予防方法を3つご紹介します。
予防方法1:丁寧に保湿をする
手洗いや食器洗いなど水仕事をしたあとは、丁寧に保湿をすることが重要です。
キッチンや洗面所など水回りに保湿クリームなどを準備しておくと、気がついた時に保湿ができます。
予防方法2:食器洗いの際はゴム手袋をつける
食器洗いは、あかぎれの"大敵"です。
洗浄力が強い洗剤や水が直接手に触れることによって、手の油分が奪われ、乾燥を促してしまうからです。
面倒でもゴム手袋をつけるようにしましょう。洗剤や水が直接手に触れるのを防ぎ、乾燥や刺激、肌ストレス を減らすことができます。
あかぎれができていてもいなくても、食器を洗う際にはゴム手袋をつけて行いましょう。
予防方法3:手洗い時の水温と拭き方に気をつける
手洗いをする際に温度の高い湯を使うと皮膚の油分が奪われ、乾燥を招きやすくなります。
手洗いの際はぬるいと感じるくらいの水温に設定しましょう。
また、手洗い後に手を濡れたままにすると水分が蒸発し、乾燥しやすくなってしまいます。
手洗い後は、水分を取り除くことを忘れないようにしましょう。タオルやペーパーで優しく抑えるように拭き取るのがポイントです。
あかぎれになってしまった場合の対処法
あかぎれになってしまったら、悪化させないために適切に対処する必要があります。
対処法を4つご紹介します。
対処法1:患部を清潔にする
あかぎれになってしまった場合は、常に患部を清潔に保つようにしましょう。
ただし、洗いすぎてしまうとさらに乾燥を招きあかぎれの悪化へつながってしまうため、なるべく優しく洗うことが重要です。
対処法2:刺激を与えない
あかぎれがある場合は、できる限り刺激を与えないないようにしましょう。
洗浄力が強い洗剤を使わないようにしたり、絆創膏や手袋などを活用して患部に触れないようにしたりすると刺激を減らせます。
手洗いや保湿も優しく丁寧におこなうことが大切です。
対処法3:市販薬を使う
あかぎれの症状を和らげる市販薬を使うのも選択肢の一つです。
市販薬は、部位や症状に合わせて使う必要があります。
たくさんある市販薬からどれを選べばよいか迷ってしまう場合は、自己判断せず、薬剤師や登録販売者に確認をしましょう。
対処法4:皮膚科を受診する
あかぎれの症状がひどく、市販薬を使っても改善しない場合は、別の原因が隠れている可能性もあります。
出血や痛みがあり、あかぎれがどんどん広がるといった症状が見られる場合は、皮膚科で相談するようにしましょう。
まとめ
あかぎれは、手や足などよく使う部位に起きやすいため、悪化すると日常生活に影響が出てしまいます。
あかぎれの主な原因は乾燥です。日ごろから手や足の保湿をしっかりおこなう、水仕事をする際は手袋をはめる、手を濡れたままにしないなど、ご紹介した予防法を一つでも二つでも取り入れてはいかがでしょうか。
辛いあかぎれ予防に、本稿をお役立てください。
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監修者: 伊藤 幹彦医師 |
内科・皮膚科医(日本外科学会認定外科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会認定産業医)
東京医科大学八王子医療センターなどで心臓血管外科として勤務後、東京警察病院外科医長に。2010年に伊藤メディカルクリニックを開業し、心臓血管外科を専門とし、高血圧や糖尿病、AGAなど幅広く対応している。「みなさまの健康を生涯にわたってお守りするよきパートナーとして、わかりやすく、丁寧な診察に努める」がモットー。