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黄砂とは
黄砂とは、中国やモンゴルの砂漠地帯から風によって運ばれる微細な砂塵のことです。
春先に特に多く発生し、風に乗って東アジア全体に広がります。日本にも飛来し、大気の質を悪化させたり、視界不良を引き起こしたりします。
また、健康にも影響を与え、呼吸器系のトラブルやアレルギー症状を引き起こすことがあるため、対策の必要性は高いといえるでしょう。
日本に到来する黄砂の大きさは、直径4ミクロン程度が最大です。
黄砂粒子には、造岩鉱物や粘土鉱物が多く含まれています。また、風に乗って運ばれる途中で、アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなど土壌には存在しない成分が黄砂に混ざる場合があります。
黄砂の原因は?どこからやってくる?
黄砂は、中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原など砂漠地帯の砂が数千メートル上空まで巻き上げられ、偏西風によって日本まで運ばれたものです。
黄砂の発生には、発生域の強風の程度や地表面の状態、上空の風の状態などが関係しています。
黄砂粒子は大きさによって落下速度が異なり、小さな粒子は遠くまで運ばれ、太平洋を横断して北米やグリーンランドにまで到達することもあります。
日本では目視や測器による観測が行われており、気象衛星「ひまわり」の観測データから黄砂の分布状況を解析しています。
黄砂による影響は?いつまで続く?
黄砂は、空中に浮遊しているか落下しているかに関係なく、人の身体や生活にさまざまな影響を及ぼします。
黄砂による被害の種類や影響が大きい時期について、詳しく解説します。
黄砂による被害
黄砂はさまざまな被害を引き起こします。
微細な砂塵が呼吸器に入り込むことで、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患を悪化させる可能性があります。また、アレルギー症状が起きた場合は、目や喉のかゆみ、皮膚の赤みなどが現れます。
農業への影響も深刻で、作物に黄砂が付着することで成長が妨げられたり、汚染された雨が降ることで土壌が劣化したりすることがあります。また、建物や車が汚れやすくなり、清掃コストが増加するなど、経済的な被害も無視できません。
黄砂が大量に浮遊している場合は視界が悪化するため、交通事故のリスクが増加するでしょう。ただし、日本には視界が悪化するほどの大量の黄砂は飛来しないことが通例です。
このように、黄砂は健康面だけでなく、生活全般にわたって多くの被害をもたらします。
黄砂の時期
黄砂の影響が最も大きくなる時期は、3~5月頃です。
東アジアの砂漠地帯から強風により吹き上げられた砂塵が、日本を含む広範囲の地域に飛来します。この時期は砂漠地帯での風が強く、乾燥しているため、砂塵が空中に舞い上がりやすくなります。
黄砂の発生は気象条件によって大きく変動するため、風の強さや方向によっても影響の程度が異なります。春の訪れとともに黄砂の予報を確認し、必要な対策を講じることが重要です。
黄砂被害にできる対策は?
黄砂は健康や生活に多大な影響を及ぼすため、適切な対策を講じることが重要です。特に、黄砂の飛来が多くなる春先に予防策を立てることで被害を軽減できます。
黄砂被害に対する具体的な対策を3つ紹介します。
黄砂が飛来している時期の外出を控える
黄砂が飛来している時期には、不要不急の外出を控えましょう。
特に、高濃度の黄砂が飛来しているときは、ランニングやサイクリングのような呼吸器系への負担が大きい運動を避けることが大切です。また、呼吸器や循環器の疾患を持つ方や子供、高齢者は黄砂による健康被害を受けやすいため、外出するかどうかはより慎重に判断する必要があります。
帰宅した際は、家に入る前に身体についた黄砂をなるべく取り除くことが大切です。また、手や顔を洗ったりうがいをしたりして、健康被害のリスクをなるべく抑えましょう。
マスクやサングラスを着用する
黄砂が飛来している時期に外出する場合は、マスクを着用しましょう。
一般用の不織布マスクでもある程度の吸入予防効果がありますが、医療用や産業用のマスクは黄砂の吸入を大幅に減らすことができます。ただし、マスクは顔の大きさに合ったものを選び、空気が漏れないように正しく着用することが重要です。
また、サングラスを着用することで、目に黄砂が入るのを防止できます。
室内環境を整える
黄砂の飛来が予想される日には窓やドアを閉めて、室内への侵入を防ぐことが重要です。
また、空気清浄機を使用して、室内の空気を清浄に保ちましょう。換気は大切ですが、高濃度の黄砂が飛来しているときに換気すると、黄砂が屋内に入ってきて空気の質が悪くなります。
なお、空気清浄機によってどれだけ小さな粒子を除去できるかが異なるため、黄砂に対応しているかどうかの確認が必要です。このような対策を徹底しても屋内に黄砂が侵入するため、こまめに掃除しましょう。
まとめ
黄砂は、中国やモンゴルの砂漠地帯から風によって運ばれる微細な砂塵で、春先に特に多く発生します。
日本にも飛来し、大気の質を悪化させ、視界不良や健康被害を引き起こします。
呼吸器系のトラブルやアレルギー症状を悪化させるため、黄砂対策が重要です。黄砂が飛来している時期には外出を控え、マスクやサングラスを着用し、室内環境を整えることで被害を軽減できます。
予防策を講じて、黄砂の影響を最小限に抑えましょう。
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監修者: 木村 眞樹子医師 |
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、 Webメディアで発信も行っている。