敏感肌ってどんな状態?
敏感肌とは、外的刺激に対して過敏に反応しやすい肌の状態のことです。バリア機能の低下や環境要因、ストレス、化粧品や洗浄剤の影響など、さまざまな原因があります。原因にかかわらず、敏感肌とまとめて呼称することが一般的です。
なお、医学的には定義が存在しないため、医療機関では「敏感肌」とは診断されません。アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性湿疹、脂漏性皮膚炎など、肌が敏感なことによって起きている症状に基づいて診断されます。
敏感肌の方は、外出時の紫外線や花粉、空気の乾燥などの影響で肌荒れしやすく、日常的にかゆみや赤みなどに悩まされる場合があります。症状の強さには個人差があるうえに原因もさまざまであるため、自身の敏感肌のタイプを理解し、適切に対策することが大切です。
敏感肌の症状・サイン
敏感肌は、さまざまな外的刺激に対して敏感に反応し、次のような症状が現れます。
日常生活の中で頻繁に現れ、ストレスや生活環境の変化によっても悪化することがあります。
敏感肌の原因
続いて、敏感肌の原因について詳しく見ていきましょう。
乾燥
敏感肌の主な原因の1つは乾燥です。皮膚の外側にある角質層には、水分を保つ天然保湿成分(NMF)や、細胞と細胞の間を満たすことで結びつけるセラミド、脂肪酸などが含まれています。肌が乾燥すると、水分を保つ成分が減少し、外的刺激から肌を守るバリア機能が低下し、肌トラブルが起こりやすくなります。
肌が乾燥する原因は、エアコンの使用による湿度の低下や冬の乾燥した空気などです。
紫外線
紫外線には、肌の奥深くに届くことでコラーゲンやエラスチンなどを破壊したり変性したりしてたるみやシワを促す「UVA」と、皮膚の表面に赤みやヒリヒリ感を引き起こす「UVB」があります。
UVBは、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を乱します。その結果、未熟な角質細胞が生まれます。未熟な角質細胞は肌の水分を保つ成分が少ないため、乾燥しやすくバリア機能が低い状態です。そのため、日常的に紫外線を浴びる方は肌が敏感になる傾向があります。
加齢
加齢も敏感肌の大きな原因の1つです。年齢を重ねると、角質層に含まれる水分を保つ成分が減少するため、肌のバリア機能と保湿力が低下します。その結果、外部刺激を受けやすくなることで肌が敏感になります。
また、加齢に伴うホルモンバランスの変化も敏感肌の原因となります。特に女性は、更年期になってエストロゲンが減少すると、肌の水分保持能力が低下し、敏感肌が悪化することがあります。
間違ったスキンケア
誤ったスキンケアも敏感肌の原因です。ゴシゴシと洗顔したり、熱いお湯で顔を洗ったりすると、角質層が傷つき、バリア機能が低下します。また、肌に合わない成分を含む化粧品を使用することで、さらに肌が敏感になることがあります。
たとえば、アルコールや香料を含む製品は敏感肌に合わないことがあるため、特に肌の調子が悪いときは使用を避けることも検討しましょう。
敏感肌の対策・予防
敏感肌は肌の水分量が少ないためにバリア機能が低い状態のため、バリア機能を高めつつ外的刺激を避けることが大切です。敏感肌の対策と予防について見ていきましょう。
保湿の徹底
敏感肌の対策・予防法として、最も重要なのは保湿の徹底です。乾燥が進むとバリア機能が低下し、外的刺激に対して過敏に反応しやすくなります。肌を保湿することでバリア機能を補い、外的刺激による影響を受けにくくできます。
たとえば、ヒアルロン酸やセラミド、アミノ酸などを含む化粧水や乳液を使用しましょう。また、朝晩のスキンケアに加え、日中も乾燥を感じたら保湿ミストを使用するなど、常に肌の水分量が十分な状態に保つことが大切です。
適切なスキンケア
敏感肌の予防には、適切な洗顔方法も欠かせません。洗顔の際はゴシゴシと擦らず、たっぷりの泡で優しく洗うことが重要です。また、ぬるま湯で洗い流すことで、必要な皮脂を残しつつ、肌への負担を最小限に抑えることができます。
使用する洗顔料は、自分に合ったものを選びましょう。アルコールや強い洗浄成分を含まないマイルドな洗顔料に切り替えるだけでも、肌のバリア機能が改善する可能性があります。正しい洗顔方法を実践し、肌のバリア機能を維持して敏感肌のリスクを減らしましょう。
さらに、基本的なスキンケアに加えて、日焼け止めや帽子、日傘などで紫外線対策をすることも大切です。日焼け止めは肌への刺激が少ない紫外線散乱剤が含まれたものを選び、2~3時間ごとに塗り直しましょう。
生活習慣の改善
生活習慣の改善も敏感肌の予防に効果的です。十分な睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
睡眠は、深い眠り(ノンレム睡眠)と浅い眠り(レム睡眠)をくり返しており、深い眠りのときに分泌される成長ホルモンが肌のターンオーバーに関わっています。良質な睡眠をとるために、部屋の温度と湿度を快適な状態に保ったり、自分に合う寝具を使用したりしましょう。
食事については、新陳代謝を促すビタミンAや皮膚や粘膜の保護に関わるビタミンB2やB6、抗酸化作用があるビタミンCやビタミンEなどを意識的に摂ることがポイントです。
まとめ
敏感肌は、外的刺激に対して過敏に反応する肌の状態であり、乾燥や紫外線、ストレス、間違ったスキンケアなどが主な原因です。対策としては、保湿の徹底、適切な洗顔方法、生活習慣の改善が挙げられます。敏感肌が体質によって引き起こされている場合、根本から改善することは困難です。しかし、今回紹介した対策・予防を実践することで、症状を抑えることができます。敏感肌にお悩みの方は、必要に応じて医療機関で治療を受けつつ、生活習慣やスキンケアなどを見直しましょう。
|
監修者: 稲葉 岳也医師 |
専門:耳鼻咽喉科・皮膚科・アレルギー科
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。
東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行う。レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力。