冬至とはどんな日?
冬至は昼が最も短く、夜が最も長くなります。中国では古くから、1年を春夏秋冬の4つの季節に区切り、さらにそれぞれの季節を6つに区切る暦である「二十四節気」が使われてきました。
そのなかで冬至は、太陽の力が最も弱まったのち、再びその力が強まっていく大切な節目の日とされ、運気回復や無病息災を願うさまざまなお祝いがおこなわれてきました。
この風習は日本へも伝わっており、冬至に関連した風習や食べ物が各地に根づいています。
夏至と冬至について
夏至は冬至とは反対に、1年で昼が最も長く、夜が最も短い日です。冬至とは真逆、毎年6月20日から22日ごろとなります。
二十四節気では夏至と冬至は「二至」と呼ばれ、昼夜の長さが極端に変わる日として重視されています。
夏至も冬至と同様、世界各国でさまざまな風習があります。昼が非常に長くなる北欧のスウェーデンの夏至祭などが有名ですが、日本では大きな祭りや祝い事はあまり見られません。日本では夏至の時期は秋の収穫に向けた繁忙期にあたることが、その理由の一つと考えられます。
2024年の冬至は12月21日
冬至は毎年12月21日か22日で、日付が多少前後することがありますが、基本的にはこの2日間のどちらかです。冬至が記載されているカレンダーも多いため、気になる方は確認してみましょう。なお、2024年の冬至は12月21日です。
冬至の日にやってはいけないこと
冬至には、大掃除やケンカなどを避けるべきといわれます。特に、大掃除をするとよい運気を逃してしまうといわれ、ゆっくりと心を落ち着けて過ごすことがよいとされています。また、体を冷やす食べ物を控え、温かい食べ物を食べる習慣もあります。
日本の冬至の過ごし方
日本では、冬至の日にかぼちゃを食べたり、柚子湯に入ったりする風習があります。これらは、健康や運気向上を願う行事です。
日本の冬至の風習について詳しく見ていきましょう。
かぼちゃを使った食べ物
冬至に定番となっている食材の一つに、かぼちゃがあります。かぼちゃは夏野菜ですが、保存性が高いため、冬でも食べられる貴重な食材として重宝されてきました。
漢字で「南瓜」と書き、南国のカンボジアから伝来したことからも、太陽の光をたくさん浴びた栄養豊富な野菜とされています。
かぼちゃには、ビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれており、風邪予防にも効果があるとされています。さらに、冬至のころには甘みが増し、より美味しく食べられるため、栄養価と美味しさの両面から、冬至にかぼちゃを食べる習慣が広まったと考えられています。
冬至粥
「冬至粥」とは、冬至の日に食べる特別な粥で、主に小豆やカボチャを使った料理です。小豆は、その赤い色が厄を払い、運気を呼び込む縁起物とされ、祝い事でよく用いられます。特に寒さが厳しくなる冬至の時期、栄養豊富な小豆やカボチャを使った粥は、体を温め健康を保つための理想的な食事とされてきました。
地域によっては、小豆ではなくカボチャで粥をつくるところもあり、地域の特性に合わせた冬至粥が存在します。このように、冬至粥は体力が落ちがちな冬にぴったりの縁起のよい料理として親しまれています。
「ん」がつく食べ物
冬至には、「ん」のつく食べ物を食べると運気が上がるという言い伝えがあります。代表的な食材には、ニンジン、キンカン、寒天、うどんなどです。特に、かぼちゃは漢字で「南瓜」と書き、音読みでは「なんきん」となるため、「ん」が2つ含まれることから縁起がよい食べ物とされ、冬至に欠かせない一品です。
この「ん」がつく食べ物を食べると運気が上がるという風習には、いくつかの説があります。一つは、「うん」を呼び込むという意味が込められているというもの。また、いろは歌の最後が「ん」で終わることから、一陽来復、すなわち陰が極まり再び陽が巡るという転機に当たり、開運を願う意味もあるといわれています。
冬至の日に「ん」がつく食べ物を食べることで、新しい運気を呼び込み、よい年を迎える準備をするというのがこの風習の根底にある考え方です。
柚子湯
柚子湯は、日本の冬至におこなわれる伝統的な風習で、江戸時代からはじまったという説もあります。この風習には、運気向上や厄除け、そこから健康増進・無病息災といった願いが込められています。
柚子はビタミンCを豊富に含むことから、血行促進や風邪予防も期待できます。さらに、柚子の香りにはリラックス効果もあり、心身の疲れを癒します。
医療インフラが不十分だった時代には、柚子湯は寒さが厳しくなる季節に体を温めて健康を守る、実効性のある方法でもあったのでしょう。
柚子湯は体を温めるだけでなく、心にも温かさをもたらす風習として現代にまで受け継がれています。
海外の冬至の過ごし方
冬至は世界各国でも特別な日として扱われています。ここでは中国、ブラジル、北欧の過ごし方を紹介します。
【中国】湯円(タンユェン)
中国では冬至の日を「冬至節」と呼び、家族で湯円(タンユェン:白玉団子)を食べる風習があります。湯円は家族の団結を象徴し、冬至を祝う重要な料理です。また、餃子も冬至に食べる定番料理で、厳しい冬を乗り越えるためのエネルギー源として親しまれています。
【ブラジル】フェスタジュニーナ
南半球に位置するブラジルでは、北半球とは季節が逆になります。6月が朝晩が冷え込む冬となり、北半球の夏至が冬至にあたります。
ブラジルでは冬至(日本の夏至)の時期に、「フェスタジュニーナ(6月祭り)」と呼ばれるブラジル全土で盛大に祝われるイベントがあります。もともとはヨーロッパでおこなわれていた冬至の収穫祭が伝わったものといわれ、男性が麦わら帽子とひげ、女性はカラフルなドレスという「田舎者スタイル」で、伝統的なフォークダンスなどを踊るそうです。
このお祭りではコーンブレッドやトウモロコシ粥などのトウモロコシ料理でお祝いします。
【北欧】ユール
ユール(Yule)は、キリスト教伝来以前から北欧でおこなわれていた古代ゲルマン人の冬至の祝祭です。この祭りは、豊穣の神「フレイ」や死の神「オーディン」に感謝を捧げ、オスの豚を生贄として捧げる儀式がおこなわれ、宴ではビールを飲み食事を楽しみました。
「極夜」と呼ばれる日中にユール・ログという木を燃やし、太陽の復活を祈る儀式がおこなわれました。一説によると、後にキリスト教と結びつき、「ブッシュ・ド・ノエル」というケーキとして現在のクリスマスにも受け継がれたとされています。
まとめ
冬至は一年で最も夜が長く、太陽の力が最も弱まる日とされていますが、それと同時に再生と復活の始まりを象徴する特別な日と考えられてきました。日本では、かぼちゃを食べたり柚子湯に浸かることで健康や運気の向上を願い、地域ごとにさまざまな過ごし方が見られます。
また、海外でも独自の風習があり、中国の「湯円」やブラジルの「フェスタジュニーナ」、北欧の「ユール」など、冬至の祝い方は多彩です。日本では冬至以降、冬の寒さが一段を厳しくなります。各国の伝統や風習を参考にして、心も体も温かく過ごしていきましょう。
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監修者: 伊藤 幹彦医師 |
内科・皮膚科医(日本外科学会認定外科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会認定産業医)
東京医科大学八王子医療センターなどで心臓血管外科として勤務後、東京警察病院外科医長に。2010年に伊藤メディカルクリニックを開業し、心臓血管外科を専門とし、高血圧や糖尿病、AGAなど幅広く対応している。「みなさまの健康を生涯にわたってお守りするよきパートナーとして、わかりやすく、丁寧な診察に努める」がモットー。