2025.02.18
季節

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春分の日とは

昼と夜の長さが同じになる

春分の日は、春のはじまりである立春よりも約1カ月半以上あとにやってきます。
冬の間太陽は、やや南寄りの東から昇り、やや南よりの西に沈みます。これが徐々に東に移動し、真東から上って真西に沈む日が春分の日です。
夜が長かった冬が終わると(立春)、太陽の動きにともなって昼の時間が伸びていき、春分の日には昼と夜の長さがほぼ同じになります。

春分の日のもとになっているのは、古代中国で考案された暦である「二十四節気」です。
二十四節気では1年を春夏秋冬の4つにわけ、さらにそれぞれを6つに分けます。
計24に区切られた季節にはひとつひとつ名前があり、「春分」は旧暦で2月の後半、現在の暦では3月の後半にあたる季節の名前です。
二十四節気を起源にもつ季節の区切りとしては、秋分、夏至、冬至などがあります。

お彼岸の中日

春分と秋分の前後3日ずつの計7日のことを「お彼岸」といい、春分の日・秋分の日はお彼岸の中日(ちゅうにち)と呼ばれます。
お彼岸では墓参りなどをする風習がありますが、これらの行事は日本人の太陽信仰と仏教の考え方が結びつき、独自に発展したものです。

太陽信仰では、太陽に感謝し、豊作を願うことを「日願(ひがん)」といいます。
一方仏教では、「彼岸(ひがん)」はあの世のことを示します。昼と夜の長さが同じになる春分と秋分は、現世とあの世がもっともつながりやすい日と考えられており、そのタイミングで先祖を供養するのです。

「ひがん」という音が同じこともあり、日願と彼岸が融合し、今日まで伝わる「お彼岸」となったといわれています。地域によっても異なりますが、春のお彼岸では多くの実りをもたらす太陽と私たちを守ってくれる先祖に、その年の豊作を祈願するようになったといわれています。

自然をたたえ、生物をいつくしむ日とも

今日、春分の日を中心とするお彼岸でやることとしては、お墓参りなどが一般的ですが、国民の祝日に関する法律のなかでは「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされています。

寒く厳しい冬があけ、日に日に暖かくなり、植物や生き物たちが活発に動き出すようになります。明るい鳥の声や、多種多様な花が咲きはじめたことに気づくのもこの時期です。
春は新しく生まれてくる命を育んでいく季節ともいえます。春分の日には、春の訪れを感じながら自然に感謝をして過ごしてみるのもいいかもしれません。

春分の日の決め方

春分の日が、いつ決まるのかご存じでしょうか。
実は春分の日は、国立天文台が翌年分を決めて毎年発表しています。
祝日のなかには成人の日や海の日など、毎年移動するものも多くあります。国立天文台ではこれらの祝日を整理して、「暦要項」を作成しています。春分の日もこのような祝日の一つです。

春分は「春分点」を太陽が通過する瞬間と定義されています。この日を含む日が春分日となり、これを春分の日と呼びます。
春分点とは、太陽の通り道である「黄道」と、地球の赤道を拡大した「天の赤道」が交わる点の一つです。このほか秋分点、夏至点、冬至点があります。

太陽の動きは少しずつ変化し、毎年一定ではありません。そのため、春分の日や秋分の日は、国立天文台が太陽の動きを計算して割り出しています。その結果を、前年の2月1日に公開される暦要項でほかの祝日とともに発表しているのです。

春分の日には何をする?

春分の日の行事や習慣についてご紹介しましょう。
前述のとおり、春分の日はお彼岸の中日であり、ご先祖様の供養をおこなう日です。
先祖供養としてはお墓参りや仏壇の手入れや掃除をするのが一般的です。

このほかに仏教修業をおこなう習慣もあり、この世にいながら彼岸に至る6つの修行とされる「六波羅密(ろくはらみつ)」が有名です。善行を施すこと、戒律を守ること、耐え忍ぶこと、努力を続けること、動揺しないこと、真理を見極めること、これら6つをおこなうことで日々が豊かに過ごせるようになるとされます。

春分の日に食べる食べ物

お赤飯

春分の日をはじめとした特別な日には、お赤飯がよく食べられます。お赤飯は小豆ともち米を炊いたものです。
小豆はたんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富で強い抗酸化作用もあり、健康増進に役立つ昔ながらのスーパーフードといえます。

さらに小豆の赤い色は魔よけや邪気を払う力があるとも信じられてきました。
小豆の煮汁でもち米を炊いたお赤飯は、無病息災・健康増進などの願いを込めた縁起物として祝い事に用いられてきたのです。

ぼたもち

春分の日には「ぼたもち」もよく食べられます。
この季節の花である牡丹に見立てた「牡丹餅」から転じて、「ぼたもち」といわれるようになったそうです。
秋分の日にはやはり季節の花である萩から名前をとった「おはぎ」が食べられます。ぼたもちもおはぎも蒸したもち米などをあんで包んだものですが、季節にあわせて名前を変えるのは日本人ならではの感性かもしれません。

彼岸そば・彼岸うどん

お彼岸では、そばやうどんを食べる地域もあります。
お彼岸は季節の変わり目であり、体調を崩しやすい時期ともいえます。そのため消化のよいそばやうどんで胃腸を労わる習慣ができたといいます。
また、お彼岸は仏教の行事でもあることから、殺生を避けるといった意味合いもあるようです。
さらに、「年越しそば」にもみられるように、長寿や運気上昇を願う縁起物でもあります。

精進料理

お彼岸のお供え物として代表的なのは精進料理です。
精進料理は、殺生を避ける仏教信仰のなかで育まれた料理です。肉や魚を使わず、野菜や穀物や豆を中心とした食材を利用します。
だしも鰹節や煮干しを使わず、昆布や干ししいたけなどの植物性のだしを利用します。

桜餅

春分の日には、桜餅を食べることもあります。
桜餅は関東風の「長命寺(ちょうめいじ)」タイプと関西風の「道明寺(どうみょうじ)」があります。
長命寺は小麦粉で薄く焼いた生地であんを包むもので、道明寺は道明寺粉でつくったもちであんを包むものです。どちらも塩漬けされた桜の葉で巻きます。

秋分の日とは何が違う?

秋分の日は春分の日と同様、太陽が真東から上り、真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる日です。
春分の日は夏に向かってさらに昼が長くなっていきますが、秋分の日は冬に向かって日が短く、夜が長くなっていきます。

お祝いの意味合いも異なります。春分の日はこれから本格的にはじまる農耕作業を通じて、その年の豊穣を願い、祈るための行事です。一方秋分の日は、今年の収穫があらかた終わり、その恵みに感謝するための行事と位置づけられます。

このほかには、春分の日に食べるぼたもちと、秋分の日に食べるおはぎの形状の違いもあります。春のぼたもちはこしあん、秋のおはぎは粒あんが多く、おはぎのほうが少し小ぶりです。
秋分の日には秋に収穫されたばかりの小豆をそのまま楽しむために粒あんに、春のぼたもちは冬を越して硬くなった小豆を食べやすくするためにこしあんにしたともいわれます。

まとめ

今回は春分の日の過ごし方や食べ物について解説しました。
春分の日に食べるものは栄養が豊富で縁起のよいものが多く、健康や長寿の願いが込められています。
長年受け継がれてきた風習に込められた意味を知ることで、例年のお墓参りも、少し違ったものに感じられるのではないでしょうか。

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