ホットフラッシュとは
ホットフラッシュは更年期障害によくみられる症状です。
年齢でいえば40代以降、更年期の女性の約25%が経験するとの調査があります。なかには日常生活に支障を来すほど症状が重い方もいらっしゃいます。
主な症状は熱感や発汗、脈拍の増加です。ほてりや発汗は顔からはじまり、頭部や胸部へ広がることが多いですが、顔だけに症状があらわれる場合もあります。
通常数分から30分間程度続き、脈拍の増加をともなうこともあります。ほてりや発汗は顔面からはじまり、頭部や胸部に広がることが多いですが、顔面のみの場合もあります。
ホットフラッシュの原因
ホットフラッシュの主な原因は、卵巣機能の低下によるエストロゲン分泌量の減少です。エストロゲンは脳の視床下部から下垂体からの指令で調整され、卵巣から分泌されます。更年期が近づくと、卵巣の機能低下により、卵巣は脳が指令するだけの十分なエストロゲンの分泌ができなくなってしまいます。
さらに、視床下部はホルモン分泌とともに自律神経のコントロールをおこなっています。更年期になると、下垂体の過剰反応により視床下部のホルモン分泌と自律神経の調整が乱れ、発汗や血管運動の調節が不安定になり、ホットフラッシュが生じます。
また、心身のストレスや環境、思考の傾向も更年期障害の症状を悪化させる要因となります。
どんなときに起こる のか、特定の要件が明らかになっているわけではありませんが、仕事や家事、育児、親の介護などで忙しい40〜50代は注意が必要です。
この年代の女性は自身のケアが後回しになりがちであり、つらい期間が長引くと、うつ状態など精神面にも影響が出る可能性があるため、早めに対処していく必要があります。
更年期症状による自律神経の乱れ
更年期には、エストロゲンの分泌量が減少して体内のホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れてしまいます。
自律神経は、体温調節や血流、発汗、消化機能などをコントロールしていますが、更年期になるとこれらの調整がスムーズに働かなくなり、ほてりや発汗、動悸、不眠といったさまざまな症状が引き起こされます。
これらの症状は、脳の視床下部がホルモン分泌の司令塔として機能していることと密接に関係しています。エストロゲンの低下は視床下部に影響を与え、ホルモン分泌とともに自律神経の制御も乱れるため、体のさまざまな部位で不調があらわれます。これが更年期症状の主な原因です。
ホットフラッシュの対処法
ホットフラッシュの症状を緩和するための対処法には以下のようなものがあります。
これらの方法を組み合わせることで、ホットフラッシュの症状緩和が期待できます。
更年期症状に隠れた病気も
更年期には、エストロゲンの減少により自律神経の乱れが生じ、さまざまな不調があらわれます。しかし、これらの症状の背後には他の疾患が潜んでいる可能性もあります。
たとえば、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、ほてりや動悸、発汗など、更年期症状と似た症状を引き起こします。また、甲状腺機能低下症(橋本病)では、倦怠感や気分の落ち込みなどがあらわれ、更年期障害と誤認されることがあります。さらに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病も、更年期と同時期に発症しやすく、これらの症状と重なることがあります。
これらの疾患を見逃さないためにも、更年期症状を自己判断で放置せず、医療機関で適切な検査と診断を受けることが重要です。早めの受診により、適切な治療を受けることで、症状の改善や他の疾患の早期発見につながります。自身の健康を守るためにも、気になる症状があれば専門医に相談しましょう。
まとめ
ホットフラッシュは、更年期に多くの女性が経験する症状で、ほてりやのぼせ、発汗、動悸などが典型的です。その原因はエストロゲンの減少によるホルモンバランスの乱れで、自律神経にも影響を及ぼします。対処法としては、環境調整やストレス管理、深い呼吸法、漢方薬の活用が有効です。また、更年期症状の背後には甲状腺疾患や生活習慣病が隠れている場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。早めの対応が健康を守る鍵となります。
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監修者: 海老根 真由美医師 |
1997年埼玉医科大学医学部卒業。埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター母体胎児部門にて病棟医長を歴任。2013年6月に白金高輪海老根ウィメンズクリニックを開業。
クリニックURL: https://ebine-womens-clinic.com
所属:日本産科婦人科学会・日本母性衛生学会・日本周産期・新生児学会・周産期メンタルヘルス研究会