虫除けとは?基本知識と効果
虫除けは、蚊やブユ、マダニなどの吸血する虫を寄せ付けないために使用される製品です。主な有効成分にはディート(DEET)やイカリジンがあり、虫の感覚器官に作用して人間の存在を感知しにくくします。
虫除けには、スプレー、クリーム、ローション、プレートなど多様なタイプがあり、使用環境や目的に応じて選択できます。適切に使用することで、虫刺されによるかゆみや感染症のリスクの低減が可能です。
虫除けの種類と主な成分
医薬品と医薬部外品の虫除けに使用されている成分は、「ディート」と「イカリジン」の2種類です。どちらも蚊などの吸血害虫が人の吐く二酸化炭素などを感知する仕組みを妨げることで、刺されるのを防ぎます。
虫除けには、スプレー、クリームなどさまざまな形態があります。雑貨に分類されている、主にピレスロイド系薬剤を使用したプレートタイプも一般的です。それぞれの特徴と使い方は次のとおりです
スプレー、クリームの特徴と使い方
スプレーは手軽に全身へ使えるため、野外活動や旅行時に適しています。肌から15~20cm離して均一に噴霧します。顔に使う場合は、手に取ってから塗布します。衣類の上から使えるタイプもあり、状況に応じて使い分けましょう。使用後は石鹸で洗い流すのが推奨されています。
クリームは、1日数回、適量を手や足、首筋など露出しているところに塗布します。塗りムラがないように丁寧に塗りましょう。
スプレーとクリームに使用される有効成分はディートとイカリジンです。
プレートの特徴
窓辺や天井などから吊り下げるタイプのプレートは空間に薬剤を放出します。主な有効成分にはピレスロイド系薬剤があり、虫を近づかせない効果があります。使用シーンに応じて選ぶことが重要です。
虫除けと殺虫剤の使用目的の違いと選び分け
虫除けと殺虫剤は、その目的と使用タイミングが大きく異なります。
虫除けは、蚊やブユ、マダニなどの虫に刺されるのを防ぐ「予防」が目的の製品で、肌や衣類に直接塗布・噴霧して使用します。主な成分はディートやイカリジンで、虫の感覚を混乱させ、刺す場所をわからなくさせて吸血を防ぎます。主に屋外での活動時や外出前に使用します。
製品ごとにディートやイカリジンといった成分の濃度や、肌への刺激性の有無を確認して、自分のニーズに合ったものを選びましょう。
一方、殺虫剤は、すでに室内や周囲に存在する虫を「駆除」するためのもので、ピレスロイド系などの殺虫成分が虫の神経に作用して速やかに駆除します。
殺虫剤によっては換気が必要なものもあるほか、人体やペットへの影響を考慮する必要もあり、使用上の注意に従って活用しましょう。
このように、虫除けは事前対策、殺虫剤は事後対策として使い分けることが、効果的な虫除け対策です。
目的別・虫除けの選び方
アウトドアでは、ディートやイカリジン配合のスプレーやクリームが効果的です。長時間の持続性と高い虫除け効果が必要とされます。プレートタイプは、ベランダや軒下、屋内の窓際など屋内と屋外の境目で使用します。狭い空間で使用する際は、密閉状態を避け、適宜換気をおこなうことが推奨されています。
旅行では携帯しやすいシートやスプレー、海外では虫媒介感染症対策として強めの成分を含む製品を選ぶとよいでしょう。
子どもや赤ちゃんに安全な虫除け対策
子どもや赤ちゃんには、ディート濃度が10%以下のものやイカリジン配合の虫除けが推奨されます。顔まわりは手に取ってから少量を塗るようにし、目や口の周辺は避けましょう。使用後は石けんでしっかり洗い流すことも大切です。また、直接肌に塗るのではなく、衣類にスプレーするタイプの製品もあります。
効果的な虫除けの使用方法
虫除けは、外出前や虫が多い場所に入る前に使用するのが基本です。肌が露出している部分を中心に、まんべんなく塗布または噴霧します。汗をかいたり、長時間経過したりした場合は再度塗り直しましょう。また、虫除けスプレーは屋外で風下に立って使用するのが安全です。使用後は石けんで洗い流してください。
正しい塗り方の手順
製品によっては最初に容器をよく振ります。その後、肌から15~20cm離してスプレーします。耳の裏、首筋、手首、足首など肌の露出部分にまんべんなく吹きかけましょう。目・口・傷口・粘膜には絶対に使用せず、万一目に入ったときは大量の水かぬるま湯でよく洗い流します。
季節別・虫除け対策のポイント
夏は蚊やブユが最も活発なため、外出時には肌の露出を避け、虫除けの併用が効果的です。梅雨は湿気により虫が繁殖しやすいため、室内にプレートを設置することも有効です。
秋はまだまだ蚊が活動する季節のため、引き続き対策が必要です。
冬は虫の活動は減りますが、暖房や換気口からの侵入に備えましょう。
虫の種類に合わせた虫除け選び
おもな虫除け成分にはディートとイカリジンがありますが、効果を発揮する虫の種類が異なります。
ディートは蚊やブヨ、ツツガムシやサシバエ、ノミ、マダニ、トコジラミなど幅広く対応し、特に医薬品では感染症を媒介する虫にも有効です。
一方、イカリジンはヌカカやヤマビル(メーカーによって異なる)にも効果があり、年齢制限がないため子どもにも使いやすいのが特徴です。
用途や対象となる害虫によって、成分を選ぶことが効果的な虫除け対策につながります。
虫除けの保管方法と注意点
虫除けの保管については以下のポイントと注意を守ることが大切です。
適切な保存方法と保管場所
虫除けは直射日光が当たらず、湿度が低く、常温が保たれる場所で保管するのが基本です。車内や窓辺、浴室などは温度や湿度が不安定なため避けましょう。なお、高温下で保管すると成分が揮発しやすくなり、効果が弱まるほか、容器の変形や破裂の恐れもあります。冷蔵庫での保管も推奨されていません。
また、小さなお子さまが誤って触れないよう、高い棚や鍵のかかる引き出しなど、安全な場所を選ぶことが大切です。
使用期限と劣化の見分け方
虫除けの多くは使用期限が表示されており、未開封では3年が目安です。ただし、製品によって使用期限は異なるため、劣化しているかどうかの確認が必要です。
スプレー缶の場合、ガス抜けや噴霧力の低下も使用不適の目安になります。製品に記載されている期限と保存状況を定期的に確認しましょう。
いずれの場合も、使用中は目・口・傷口への接触を避け、吸い込まないように注意が必要です。使用後はキャップをしっかり閉めてください。
まとめ
虫除けは、虫刺されを防ぐうえで効果的なアイテムです。スプレーやプレートなどの種類や成分を理解し、使用目的に合わせて適切に選ぶ必要があります。特に子どもや赤ちゃんには安全性に配慮した製品を選びましょう。
正しい使用と保管方法、季節に応じた対策を心がければ、虫の多い季節でも快適に過ごせます。本記事を参考に、状況に合った虫除け対策を実践してみてください。
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監修者: 高藤 円香医師 |
2013年防衛医科大学校を卒業後、大阪大学医学部附属病院や自衛隊阪神病院で研修ののち、皮膚科専門医を取得し、自衛隊阪神病院勤務に。皮膚科医として地域の方々の一般診療をメインに、アトピー性皮膚炎や乾癬などの診療にあたっており、執筆・監修などにも力を入れている。