低体温が引き起こす症状と低体温の原因
最初に「低体温」がもたらす症状や、その背景にある原因について解説します。体の冷えは、体の不調や免疫力低下、ひいては癌などの重篤な病気につながることもあるため、正しく理解することが大切です。
低体温だと何が良くない?
平熱が36℃未満の状態が続くと、体のさまざまな働きに悪影響を及ぼします。まず、体温が低いと血流が滞り、酸素や栄養素が十分に全身へ運ばれにくくなります。その結果、肩こりや頭痛、倦怠感などの不調を感じやすくなります。また、体温の低下は免疫細胞の働きも鈍らせるため、風邪や感染症にかかりやすく、治りにくいといったリスクが高まります。さらに、基礎代謝も低下するため太りやすくやせにくい体質につながり、生活習慣病のリスクも心配です。女性の場合はホルモンバランスの乱れや生理不順、更年期症状や不妊の一因となることもあります。低体温は「単なる冷え」と片付けられず、日常の健康管理において注意が必要な状態といえるのです。
低体温の原因とは?
低体温の大きな要因の一つに筋肉量の低下があります。筋肉は体の中で最も熱を生み出す器官であり、運動不足や加齢によって筋肉量が減ると、基礎代謝が落ち、体温も下がりやすくなります。現代人は家電や交通機関の発達による掃除、洗濯、料理、歩く機会など日常生活の中での運動量が減少し、慢性的な運動不足です。さらに、エアコンのおかげで汗をかく機会が少なく、体温調節機能が鈍るため、低体温を招きます。
また、ストレスも要因の一つです。ストレスによって分泌されるホルモンは、筋肉を分解することでストレスを緩和するため、過剰なストレスは筋力低下や体温低下につながります。
男性女性問わず、子どもも低体温に気をつけなくてはならないのが現代社会です。
低体温を改善する方法
次に「低体温を改善する方法」について解説します。日常生活の習慣を見直し、体を温める工夫を取り入れることで、体温を上げて免疫力や基礎代謝を高め、健康維持や美容、アンチエイジングにつなげることができます。
方法1:適度な運動で筋肉量を増やす
低体温改善の基本は、筋肉量を増やすことです。筋肉はたくさんの熱を生み出しており、運動不足や加齢で減少すると体温が下がりやすくなります。ウォーキングやスクワット、軽い筋トレを日常に取り入れることで基礎代謝が向上し、体温の維持が可能になります。特に下半身には大きな筋肉が集中しているため、下半身中心の運動は効率的に熱を生み出します。運動を習慣化することで、冷えの改善だけでなく免疫力向上や生活習慣病予防にもつながります。
方法2:温かい飲み物や食事で内側から温める
温かい飲み物や食事で体を内側から温めることも、低体温の改善に有効です。生姜や味噌、根菜類など体を温める食材は、血流を促進して熱の産生を助けます。逆に冷たい飲み物やアイスは体温を下げるため控えましょう。1日の中で体温が低い朝に白湯を飲むと、体内から効率的に温まり、低体温改善や免疫力向上につながります。夜寝る前の白湯も効果的です。
方法3:入浴や半身浴で血流を促す
入浴や半身浴は体を温めるだけでなく、血流改善にも効果があります。温かいお湯に浸かることで血管が拡張し、手足の末端まで血液が巡るようになります。これにより冷えや低体温の改善が期待でき、基礎代謝も上がります。半身浴は心臓への負担が少なく、長時間体を温められるためおすすめです。入浴中に軽くストレッチやマッサージを行えば、筋肉も刺激され、血流改善と体温維持の両方に役立ちます。リラックス効果も高まり、睡眠の質向上にもつながります。
方法4:いつでもどこでも腹巻き
低体温を防ぐには、体を冷やさない工夫が大切です。その代表が腹巻き。お腹周りには臓器や大きな血管が集まっており、ここを温めることで全身の血流が良くなり体温が安定します。最近は薄手で季節を問わず使える腹巻きも多く、冷房の効いた夏場やデスクワーク中にも手軽に活用できます。いつでもどこでも腹巻きを習慣にしましょう。男性も腹巻やズボン下などで温める工夫を。
方法5:ストレスを緩和するGABAでストレスケア
ストレスが強いと筋肉を分解してホルモンバランスを調整するため、筋肉量が減少し低体温を招く場合があります。ストレスによる体温低下防止には、ストレスを緩和するGABAを多く含む食品を摂取しましょう。玄米やかぼちゃは、体を温めてくれる上にGABAが多く含まれる食材でオススメです。また、GABAには、アンチエイジングの効果もあります。日常的にGABAを摂取することでストレスを緩和し、低体温を改善するだけでなく、健康維持に役立ちます。
基礎体温を上げることで得られるメリット
基礎体温を高めることは、心身の健康や美容に幅広い効果をもたらします。まず、血流が改善されることで全身に酸素や栄養が行き渡り、冷えや肩こりの緩和だけでなく疲労回復にも役立ちます。体温が上がれば基礎代謝も向上し、太りにくくやせやすい体質へと変わり、内臓脂肪の解消やメタボ予防にもつながります。新陳代謝が活発になることで細胞レベルから若々しさを保ち、アンチエイジング効果も期待できます。また、免疫力が高まり風邪や感染症にかかりにくくなるほか、腸のぜん動運動が促され便秘の予防にも貢献します。さらに骨の代謝も整うため骨粗しょう症の予防、脳の血流改善による記憶力低下や認知症予防にも効果的です。
特に女性にとっては、血流改善が子宮や卵巣の働きを支え、ホルモンバランスの安定、生理不順や不妊リスクの軽減につながります。美容面でも血行促進による肌のくすみや乾燥改善が期待でき、基礎体温を上げることは健康と美を守る大切な習慣といえるでしょう。
まとめ
低体温は、血流や代謝の低下を招き、免疫力の低下や生活習慣病、女性では生理不順や不妊など多くの不調につながります。筋肉量の低下が主な原因で、運動不足、ストレスや冷暖房による体温調節機能の低下などにより引き起こされます。改善には、運動や温かい食事、入浴、腹巻き、ストレスケアといった生活習慣の見直しが有効です。基礎体温を上げることは、代謝や免疫力向上、ホルモンバランスの安定、美容やアンチエイジング効果をもたらし、健康と美を守る上で大切です。
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監修者: 西野 枝里菜医師 |
産婦人科専門医/母体保護法指定医/日本医師会認定産業医
東京大学理学部生物学科卒、東京大学薬学部薬科学専攻修士課程卒、名古屋大学医学部医学科卒、JCHO東京新宿メディカルセンター初期研修、都立大塚病院産婦人科後期研修、久保田産婦人科病院