いんきんたむし(股部白癬)・ぜにたむし(体部白癬)の特徴
「いんきんたむし(股部白癬)」「ぜにたむし(体部白癬)」は、トリコフィトン・メンタグロフィテスやトリコフィトン・ルブルムなどの白癬菌が皮膚に感染して起こる皮膚疾患です。股に生じたものをいんきんたむし、股以外の場所に感染したものをぜにたむしと呼びます。
色はピンクから赤、形は円形から楕円形、または環状の発疹(環状紅斑)が現れ、輪を描くように広がるのが特徴です。外側のふちが少し盛り上がってカサカサした皮むけが見られ、中心部分は治ってきたように見えることもあります。まれに、中央が治らず赤いぶつぶつや小さなうみができる場合もあるほか、強いかゆみを伴うこともあります。
いんきんたむし・ぜにたむしと湿疹との見分け方
いんきんたむし・ぜにたむしと間違えやすいのが湿疹です。湿疹もいんきんたむし・ぜにたむしと同様かゆみを伴いますが、湿疹は菌の感染ではなく、刺激や乾燥などが原因で生じます。湿疹の特徴は、境界がはっきりしない、赤く少し盛り上がった斑点や広がった発疹ができることです。いんきんたむし・ぜにたむしとは、発疹の特徴や発生部位などによって区別されます。
「いんきんたむし」や「ぜにたむし」は予防できるの?
いんきんたむし・ぜにたむしは、白癬菌によって起こる感染症で、最も頻度が高い足白癬(水虫)などからうつることがあります。家庭内では、感染者の足や爪から白癬菌がマット、床、スリッパ、布団などに落ち、そこを介して他の人の皮膚に付着することで感染が広がることがあるのです。すぐに発症するわけではありませんが、菌が皮膚に残ると時間をかけて感染することがあります。このように白癬菌は家庭内や共同生活の場などで広がりやすいため、感染の仕組みを理解し、清潔な生活環境を保つことが予防につながります。また、動物にも白癬がみられるため、イヌやネコとの接触にも注意が必要です。ここでは、予防法について詳しく解説します。
体を清潔に保つ
いんきんたむし・ぜにたむしを予防するには、体を清潔に保つことが大切です。特に足は白癬菌がつきやすいため、指の間までせっけんで丁寧に洗いましょう。洗った後はしっかり水分を拭き取り、皮膚を乾燥させて清潔な状態を保つことで、菌の繁殖や感染を防ぐことができます。
靴や靴下の湿気に気を付ける
足白癬は最も発症頻度が高く、いんきんたむし・ぜにたむしの原因にもつながります。白癬菌は湿った環境を好むため、足元を蒸らさない工夫が必要です。靴は毎日同じものを使わず、履いた後は風通しのよい場所で干して乾かすことが大切です。靴や靴下は自分の足に合った通気性の良いものを選び、汗をかいたまま長時間履き続けないようにしましょう。靴下は吸湿性に優れた木綿や麻の素材を選ぶと快適に過ごせ、菌の繁殖を防ぐことができます。
白癬菌に触れない
いんきんたむし・ぜにたむしを予防するためには、白癬菌に触れないことが重要です。不特定多数の人が素足で利用する施設(浴場、プール、更衣室など)では、帰宅後に足や手をせっけんで丁寧に洗い、清潔に保ちましょう。家庭内に水虫などの白癬症の人がいる場合は、スリッパやバスマット、サンダルなどを共有しないことが大切です。また、床や畳に落ちた白癬菌が感染源になることもあるため、部屋をこまめに掃除して清潔に保ちましょう。
「いんきんたむし」や「ぜにたむし」の治療方法は?
いんきんたむし・ぜにたむしは、白癬菌の感染が原因であるため、症状や広がり方に応じて複数の治療法が用いられます。軽い症状でも、菌が皮膚や体内に残ると再発することがあり、適切な治療を治るまで続けることが大切です。また、治療中は皮膚を清潔に保ち、湿気を避けるなど環境にも気を配ることが重要です。ここでは主な治療法について解説します。
市販薬でセルフケア
いんきんたむし・ぜにたむしの市販薬は、クリーム、軟膏、液剤、スプレータイプなど症状や部位に合わせて選べる剤型があります。主成分はテルビナフィンやラノコナゾールなどの抗真菌成分で、クロタミトンやジブカインなどのかゆみ止め成分、イソプロピルメチルフェノールなどの殺菌成分が含まれているものもあります。市販薬はすぐに手に入るというメリットがありますが、使用する際は薬剤師や登録販売者に相談するようにしましょう。
医療機関で塗り薬(外用薬)を処方してもらう
市販薬で改善が見られない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。基本の治療は塗り薬(外用薬)で「いんきんたむし」や「ぜにたむし」であれば、薬を2週間ほど指示通りに塗ることで治ることが多いです。一方、足白癬は症状が出ていない部分も含め、両足の指の間から足裏全体にかけて、少なくとも4週間毎日塗り続ける必要があります。1週間程度で症状は落ち着きますが、角質の奥に菌が残っていることもあるため、途中でやめると再発することがあります。完治まで医師の指示通りに使用することが重要です。
医療機関で飲み薬(内服薬)を処方してもらう
塗り薬(外用薬)だけでは改善が難しい場合、例えば再発を繰り返している場合や外用薬を塗ることが十分にできない場合には、体の内側から作用する薬(内服薬)が使われることがあります。使用するかどうかは医師が症状の程度や体の状態を確認した上で判断します。薬は決められた期間、用法用量を守って正しく使うことが大切です。途中でやめるとしっかり治らなかったり、再発することがあるため、注意しましょう。
まとめ
「いんきんたむし」と「ぜにたむし」の予防法や治療法についてお分かりいただけたでしょうか。これらは白癬菌による感染症で、生活環境や衛生管理が感染の広がりや再発に影響します。予防には、皮膚を清潔に保ち、湿気を避けるなど日常の工夫が大切です。治療中も清潔な環境を維持し、医師の指示に従って適切に対応することが、再発防止や症状の改善につながります。まずは、予防のために生活環境を見直すことから始めてみると良いでしょう。
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監修者: 松澤 宗範医師 |
形成外科/再生医療/美容医療/予防医療/抗加齢医学
2014年3月近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 新宿院院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 院長 2024年7月 肌管理クリニック