そもそも、なぜしみができるの?
しみは、主に以下の要因によって発生します。
通常、メラニンはターンオーバーによって排出されますが、このバランスが崩れると肌に蓄積し、しみとしてあらわれます。
原因1.紫外線による影響
紫外線にはUVAとUVB、UVCがあり、そのうち地上に届いて肌に影響を与えるのはUVAとUVB です。
2種類があり、それぞれ肌への影響が異なります。UVAは波長が長く、肌の奥の真皮層まで到達してメラニン生成を促進し、しみの原因となる「光老化」を引き起こします。一方、UVBは表皮に強く作用し、炎症や日焼けを引き起こしながらメラニン生成を活性化させます。
また紫外線によるダメージは肌に蓄積し、若いころに浴びた紫外線が後年のしみとしてあらわれるとされています。特に18〜20歳ごろまでに生涯の約半分の紫外線を浴びるとされており、若年期の紫外線対策が将来の肌状態に大きく影響します。
原因2.加齢による変化
肌のターンオーバーは加齢とともに遅くなります。一般的に20代では約28日周期ですが、30代では約40日、40代では約55日、50代では約75日程度まで延長するとされています。
この周期の遅れにより、メラニンが排出されにくくなり、肌に残りやすくなるのです。特に40代以降は細胞の代謝が低下し、メラニンの処理能力そのものが落ちるため、しみが濃く・消えにくくなる傾向があります。
さらに、紫外線ダメージの蓄積も重なることで、若いころには表面化しなかった色素がしみとしてあらわれやすくなります。
原因3.生活習慣の乱れ
食生活の偏りや睡眠不足、ストレス、運動不足などは、肌のターンオーバーを乱す原因です。
ターンオーバーが乱れると、メラニンが正常に排出されずに肌に蓄積しやすく、その結果、しみやくすみが目立ちやすくなります。
規則正しい生活習慣を整えることは、しみ予防においても重要です。
原因4.炎症後の色素沈着
ニキビや虫刺され、擦り傷などで肌に炎症が起こると、防御反応としてメラニンが生成されます。
通常、このメラニンはターンオーバーによって数週間〜数か月で排出されますが、炎症が強い場合や繰り返される場合は、色素が肌に残りやすくなります。
特に、ニキビを触ったり強くこすったりすると炎症が長引き、色素沈着としてしみ化しやすくなるので気をつけましょう。炎症の早期ケアと刺激を避けることが、しみ予防には重要です。
しみの種類と特徴
しみは種類によって原因・見た目・対処法が大きく異なるため、正しく見分けることが重要です。代表的な3種類を比較すると以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | 色・形状 | できやすい部位 | 改善の可能性 |
|---|---|---|---|---|
| 老人性色素斑 | 紫外線の蓄積によってできる最も一般的なしみ | 濃い茶色・境界がはっきり | 顔・手・腕など紫外線が当たる部位 | 比較的改善しやすい(レーザーなどが有効) |
| 肝斑 | ホルモンや摩擦が関与し左右対称に広がる | 薄茶色・境界がぼんやり | 頬骨周辺・額・口周り | 改善可能だが時間がかかる(内服・外用中心) |
| 炎症後色素沈着 | ニキビや傷など炎症の後に残る色素 | 赤〜茶色・跡として残る | 顔・背中など炎症部位 | 自然に薄くなることが多い(数か月〜1年) |
しみへの対策方法
しみ対策は、段階的に進めましょう。
しみの対策について詳しく解説します。
対策方法1. 医薬部外品による有効成分ケア
医薬部外品には、厚生労働省が効果を認めた「美白有効成分」が配合されています。医薬部外品の「美白」については「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」という効果が認められています。
代表例は以下のとおりです。
医薬部外品は「有効成分の効果が認められている」のに対し、化粧品は「保湿や整肌が目的」であり、法的に効能表現が制限されている点が大きく異なります。
そのため、しみ対策としては医薬部外品を選ぶことで、より明確な効果が期待できます。
対策方法2. 皮膚科での専門治療
セルフケアで改善しにくい場合は、皮膚科での治療が選択肢となります。
代表的なのがQスイッチレーザーで、ナノ秒単位の高エネルギー照射によりメラニンを選択的に破壊し、体外へ排出させる治療法です。周囲の正常組織へのダメージを抑えながら効率的にしみを改善できます。
治療はしみの種類によって異なります。
シミはどのように予防すればいい?
シミは、紫外線などの刺激によってメラニンが生成され、それが排出されずに蓄積することで発生します。
主な予防方法は以下のとおりです。
この3つを組み合わせることで、シミの発生を効果的に防ぐことができます。
予防法1.紫外線対策の徹底
紫外線対策では、生活シーンに応じたSPF選びが重要です。日常生活(通勤・買い物程度)ではSPF30〜50、屋外活動やレジャーではSPF50+が目安です。
日焼け止めは「量・タイミング・塗り直し」が効果を左右します。顔全体にはパール粒2個分が目安で、外出15〜20分前に塗布しましょう。汗や皮脂で落ちるため2〜3時間おきに塗り直すことが重要です。
また、帽子や日傘など物理的対策を併用することで、紫外線ダメージをさらに軽減できます。
予防法2.保湿ケアの重要性
肌のバリア機能が低下すると、紫外線や摩擦などの刺激を受けやすくなり、メラニン生成が活発になります。そのため、保湿によってバリア機能を整えることがシミ予防につながります。
また、十分な保湿はターンオーバーの正常化にも関係しており、メラニンの排出をスムーズにする役割があります。
化粧水で水分を補給したあと、乳液やクリームでフタをする「二段階保湿」が基本です。水分だけでは蒸発してしまうため、油分で閉じ込めましょう。日常的に保湿を徹底することで、しみができにくい肌を維持できます。
予防法3.ターンオーバーの促進
ターンオーバーを整えるには、生活習慣の見直しが欠かせません。特に、質の良い睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、肌の修復と再生を助けます。目安として6〜8時間の睡眠を確保することが重要です。
また、抗酸化物質を含む食事も効果的です。
これらの栄養素は、紫外線によるダメージを軽減し、メラニンの蓄積を防ぐ働きがあります。
まとめ
しみは、紫外線によるメラニンの過剰生成と、ターンオーバーの乱れによって色素が蓄積することで発生します。
対策は、スキンケア・医薬部外品・皮膚科治療と段階的に進めることが基本となります。また、紫外線対策・保湿・生活習慣の改善を組み合わせることで、しみの予防と悪化防止につながります。
しみは種類によって適切な対処法が異なるため、セルフケアで改善しない場合は無理をせず、医師に相談しましょう。
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監修者: 高藤 円香医師 |
2013年防衛医科大学校を卒業後、大阪大学医学部附属病院や自衛隊阪神病院で研修ののち、皮膚科専門医を取得し、自衛隊阪神病院勤務に。皮膚科医として地域の方々の一般診療をメインに、アトピー性皮膚炎や乾癬などの診療にあたっており、執筆・監修などにも力を入れている。