まつ毛美容液とは、マスカラのようにまつ毛に塗る美容液のことをいいます。
まつ毛パーマをかけていても使えるものやカールをキープする成分が含まれるもの、まぶたにも使えるものなど、さまざまなタイプの商品が販売されているため、目的に合った商品を選ぶことが大切です。
まつ毛美容液にはさまざまなタイプがあります。一般的にはダメージ補修をしたり、ハリやコシ、つやを与えたりといった効果が期待されます。
・ダメージを補修する
あまり意識されることがないかもしれませんが、まつ毛も、摩擦やメイク、紫外線などの刺激によってダメージを受けています。特に「まつエク」と呼ばれるまつ毛エクステやビューラーなどを使用するとダメージが蓄積しがちです。こうしたダメージを受けたまつ毛に、まつ毛美容液を塗ることで栄養や水分を与え、ダメージを補修する効果が期待できます。
・ハリやコシ、ツヤを与える
まぶたへの使用ができるタイプのまつ毛美容液もあります。このようなまつ毛美容液は、まぶたのハリや潤い効果も期待できます。ハリやコシ、ツヤを与えることで、まつ毛を濃く、より美しく導くことができます。
まつ毛美容液は潤いを与えるなどの美容の面からもうれしい効果が期待できますが、育毛効果や増毛効果があるわけではありません。まつ毛美容液はあくまでも化粧品あり、期待できるのはダメージ補修やハリコシ、潤い効果にとどまります。ただ、ダメージ補修などの影響で伸びたように見えることはあります。
残念ながら、まつ毛美容液に即効性は期待できません。あくまでお手入れをするための美容液だからです。
また、ハリやコシといった効果が現れ始める時期にも個人差があるため、一概にいつから効果が出るとは断言できません。
個人差がありますが、一般的な目安としては、使用開始から2カ月前後みておくとよいでしょう。
効果を早く実感したいからと、使用量や使用頻度を増やすのは避けたほうが無難です。思わぬ健康被害につながる恐れもありますので、必ず商品に記載されている指示に従ってください。
まつ毛美容液は、どのようなお悩みに効果的なのでしょうか。ここでは、まつげ美容液の使用に向いている人の特徴をご紹介します。
まつ毛の表面は、日常生活で紫外線に直接当たっていることが多いため、ダメージを受けやすい状態です。そのため、まつげの表面を保護しているキューティクルが剥がれることで乾燥しやすくなるといわれています。外での活動が多く、紫外線を浴びる時間が長い人は、特にまつ毛美容液での保湿ケアが必要です。
日々のメイクで使用するマスカラやアイライナーの汚れがまつ毛の根元にたまると、まつ毛に負担がかかってしまいます。
また、ボリュームのあるまつ毛エクステをつけることやまつ毛パーマは、まつげの負担になることがあります。
薬剤を使うことでまつ毛に負担がかかり、乾燥しやすくなるため、まつ毛美容液での保湿ケアが大切です。
まつ毛は髪の毛と同じく、年齢とともにハリやコシ、毛量も減っていきます。若い頃は気にならなかったけれど、加齢によりまつげのハリやコシ、毛量の減少が気になるようになったという方も多いのではないでしょうか。今あるまつ毛にハリやコシ、潤いを与えられるように、日々のお手入れにまつ毛美容液を活用するのとよいでしょう。
まつ毛美容液には非常に多くの種類があるため、どの商品が自分に合っているか迷ってしまうこともあるかもしれません。
ここでは、自分に合ったまつ毛美容液を入手できるように、まつ毛美容液の選び方のポイントについて解説します。
まつ毛美容液は大きく以下のタイプに分かれます。
・チューブタイプ
・チップタイプ
・筆タイプ
・ブラシタイプ
それぞれ塗りやすさやテクスチャーが異なりますので、自分が使いやすいと思うものを選びましょう。
・チューブタイプ
チューブに美容液が入っているタイプの商品です。クリーム状やジェル状の美容液を、指先や綿棒にとってまつ毛に塗布します。簡単に塗ることができ、まつ毛美容液初心者の方でも使いやすいというメリットがあります。
・チップタイプ
先がスポンジやシリコンなど、柔らかい素材でできているタイプの商品です。まつ毛にひっかかりにくく、全体に均一に塗布できるという特徴があります。簡単に使うことができるため、まつ毛美容液デビューにもおすすめです。
・筆タイプ
アイライナーのように、毛先が細くなっているタイプの商品です。まつ毛の生え際からしっかり塗れる形状ですが、使いこなすにはある程度のテクニックが必要です。そのため、まつ毛美容液をしっかり塗りたい方や、既に筆タイプのメイク用品に慣れている方に向いています。
・ブラシタイプ
マスカラブラシの形状の商品です。まつ毛を一本一本に美容液が塗布できるので、全体的になじませやすいという特徴があります。マスカラ下地としても使うことができ、普段からマスカラに慣れている方には、扱いやすいタイプといえるでしょう。
まつ毛美容液の価格帯には幅があります。こだわった成分が配合されているものなどは高価になるケースがありますが、一時的に使用するだけでは効果は期待できません。
一般的に、まつ毛美容液は、日々のお手入れで使用するため、継続的に購入することが必要です。そのため、リピート購入しやすい価格帯かどうかも商品選びの重要なポイントといえます。
目的にあった効果が期待できる成分が入っているかどうかで選ぶのもまつ毛美容液を選ぶ際に大切なポイントです。
潤いが期待できるおもな保湿成分
・コラーゲン
・コンブエキス
・ヒアルロン酸
・セラミド
ダメージケアに効果が期待できるおもな補修成分
・パンテノール
・ケラチン
・加水分解エラスチン
まぶたの皮膚は非常に薄く、0.6mm程度しかありません。そのため、肌が弱い方や敏感肌の方は、肌に刺激となる成分が入っていないかしっかり確認しておくことも重要です。エタノールや界面活性剤、シリコン成分などは、人によっては肌に刺激となることがありますので、注意しましょう
せっかくまつ毛美容液を使うなら、最大限に効果を発揮させたいと考えている方も多いでしょう。ここでは、まつ毛美容液の効果的な塗り方について解説します。
まつ毛美容液を使うおすすめのタイミングは、「洗顔後、スキンケアの前」と「就寝前」です。
・ 洗顔後、スキンケアの前
まつ毛美容液を効果的に塗る基本は、清潔なまつ毛に塗布することです。皮脂や化粧品などに含まれる成分が付着しているところにまつ毛美容液を塗ると、本来あるはずの効果が得られない可能性があります。そのため、塗布するタイミングとしては、洗顔後やスキンケアの前がよいでしょう。
・ 就寝前
まつ毛美容液を就寝前に塗ると、寝ている間に美容液の成分がまつ毛に浸透することが期待できます。就寝前も、まつ毛美容液を塗るのによいタイミングといえます。
まつ毛美容液の使用前にマッサージをすることで、目元の血流が促進し、美容液の効果が高まることがあります。人差し指と中指と薬指の3本の指で、上まぶたと下まぶたをタッピングしてから塗布するようにしましょう。
まつ毛美容液の効果を最大限に発揮させるためには、まつ毛の生え際まで塗ることが大切です。
まつ毛の生え際に塗るときは、まぶたを持ち上げ、根元から先端に向けて塗るのがポイントです。
ただし、眼球や粘膜に液剤がつくと目のトラブルにつながる可能性があります。まつ毛の生え際に塗るときは、細心の注意をするようにしましょう。手先が器用でない方や心配な方は、使いやすいチップタイプやチューブタイプのまつ毛美容液を選ぶのがおすすめです。
まつ毛美容液の使用により、健康被害が生じる可能性もあります。肌に合わなかったり、誤った使い方をした場合は、赤みやかゆみ、痛み、腫れ等の症状が生じるケースがあるのです。
まつ毛美容液の健康トラブルを防ぐためには、以下の点に気をつけることが大切です。
・説明書をしっかり読んで注意事項を守る(使用頻度や量を守る)
・粘膜や眼球に液が触れないようにする
塗布量や回数が多すぎるなど決められた量・回数を守らなかった場合、色素沈着を起こす可能性があります。
また、色素沈着を引き起こす成分が入っているまつ毛美容液を使用した場合、色素沈着するケースもあります。
色素沈着を防ぐためには、成分をしっかり確認し、正しい方法で使用するようにしましょう。
まつ毛美容液を効果的に利用するためには目的に関係なく、毎日使用することが大切です。1日に、1~2回を目安に使用するとよいといわれています。しかし、商品によって推奨回数が異なるため、使用するまつ毛美容液の説明書に従ってください。
眉毛にまつ毛美容液を使用すると、眉毛に付着していた汗や皮脂がまつ毛について、目に入ってしまう可能性があります。本来のまつ毛美容液の力を発揮させるためにも、まつ毛美容液を眉毛に使用することは控えましょう。
一般的に販売されているまつ毛美容液は、まつ毛エクステに対応している商品もあれば、していない商品もあります。まつ毛エクステをしている方は、まつ毛エクステをしたお店に相談したり、商品説明を確認してから購入すると安心です。
まつ毛美容液を安全に、効果を発揮させるためには、なるべく品質がよいものを使用することが大切です。製造されてから年月が経過しているものを使うと、お肌や目のトラブルを招く場合があります。必ず使用期限を守って使用することが大切です。
まつげ美容液が目の粘膜や眼球に触れてしまうことでかゆみ、腫れ、痛みなどの症状を引き起こす場合があります。もし、目に入ってしまったら急いで水で洗い流すことが必要です。もし、洗い流しても目に違和感が残る場合は、眼科の受診を検討しましょう。
まつ毛美容液に向いている人の特徴やまつ毛美容液の効果を最大限に発揮させるための塗り方などについてお分かりいただけたでしょうか。
まつ毛美容液の注意事項をしっかり確認し、正しい使用方法でお手入れを継続すると、まつ毛が潤ったり、ハリやコシが得られるなど、うれしい効果が期待できます。
自分に最適なまつ毛美容液を購入するためには、価格や成分、形状などさまざまな視点から選んでみましょう。
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監修者:稲葉 岳也医師 |
専門:耳鼻咽喉科・皮膚科・アレルギー科
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医、日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医
東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。
東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行う。レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力。