普段、日焼け止めを選ぶ際にどのようなことを意識していますか?
日焼け止めの選び方を失敗すると思わぬ日焼けをしてしまったり、肌に負担をかけてしまったりする場合があります。
日焼け止めの仕組みや選び方について知りたい方はぜひ、最後まで読んでみてください。
2:日焼け止めのSPF(Sun Protection Factor)
3:日焼け止めのPA(Protection grade of UV-A)
3. SPF50++++の日焼け止めを毎日塗っておけば安心?
日焼け止めには、さまざまな種類があり、季節や目的に合わせて選ぶ必要があるのです。
ここでは、日焼け止めの基本について解説します。
紫外線は、A、B、Cの3つに分類されます。
それぞれには下記のような特徴があります。
紫外線A:地表まで届く
紫外線B:一部オゾン層で吸収されるが、地表まで届く
紫外線C:オゾン層で吸収されるため、地表まで届かない
地表まで届く紫外線を長時間浴びることで日焼けを起こしたり、健康被害につながったりする場合があります。
SPFは、紫外線B(UV-B) を防ぐ指標 のことです。
SPFは、2から50までの数値で示し、50以上の場合は、SPF50+で表します。
数値が大きいほどUV-Bに対す防止効果が高くなります。
PAは、紫外線A(UV-A)を防ぐ指標のことです。
PAは、数値ではなく+〜++++で表され、+の数が多いほどUV-Aを防ぐ力が強くなります。
日焼け止めは、種類によって含まれている成分が違います。
ここでは、日焼け止めの仕組みと役割について解説します。
日焼け止めには、紫外線散乱剤(反射剤)と紫外線吸収剤という2種類の紫外線防止剤が含まれています。
どちらにもメリット、デメリットがありますが、特徴を把握しておくと自分の肌に合った日焼け止め選びに役立てることができるでしょう。
紫外線散乱剤には、肌の表面で紫外線を散乱させて紫外線による肌への影響を減らす働きがあります。
紫外線散乱剤は、皮膚に塗ると白くなってしまう点が難点でしたが、近年、製造技術の進歩により、白さが目立たなくなった上に高い紫外線散乱 効果が期待できるようになっています。
紫外線吸収剤の働きは、肌の上で吸収した紫外線のエネルギーを害のない他の熱エネルギーに変化させ、放出させることによって紫外線から肌を守ることです。
また、紫外線吸収剤は、皮膚に塗った時に白くならないというメリットが あります。
デメリットとしてはまれにかぶれる方もいるため注意が必要です。
SPF50++++の日焼け止めを毎日塗っておけば安心というわけではありません。
理由は、通勤や買い物などの日常生活で使う日焼け止めと炎天下でのスポーツ観戦などで必要な日焼け止めのSPF値とPA値は異なるからです。
日焼け止めを正しく使うためには、季節やシーンに合ったSPF値やPA値の日焼け止めを選ぶようにしましょう。
日焼け止めで紫外線から肌を守るためには、正しく使うことが重要です。
ここでは、日焼け止めの正しい使い方について解説します。
たとえば、クリームタイプの日焼け止めを顔に塗る場合、パール粒1個 分の量を手のひらに出し、額、鼻の上、両頬、アゴに分けて置き、まんべんなく丁寧に塗り伸ばします。
しっかり紫外線対策をするために、もう一度同じ量を重ね塗りすることが大切です。
製品によって使用量や使用方法が異なりますので、各製品の説明表示に従うようにしましょう。
丁寧に塗った日焼け止めも手や衣類に触れたり、汗をかくと落ちてしまいます。
日焼け止めを塗っていると思っていても落ちてしまっていたら、思わぬ日焼けをしてしまう場合があるのです。
なるべく2〜3時間おきを目安に塗り直しをするようにしましょう。
先述したようにしっかり日焼け対策をするためには、季節やシーンに合ったSPF値やPA値の日焼け止めを使うことが大切です。
肌に余計な負担をかけたり、思わぬ日焼けをしたりしないように、目的に合った適切な日焼け止めを使うようにしましょう。
日焼け止めは、一度開封すると空気に触れることによって酸化しやすくなってしまいます。
酸化が進むと日焼け止め本来の力を発揮できなくなってしまうためです。
各製品の説明表示を参考に古すぎる日焼け止めは使わないようにしましょう。
日焼け止めは、乾燥している肌よりもしっかり保湿されている肌のほうがなじみやすい性質があります。
日焼け止めの力を最大限に発揮できるように日焼け止めを塗る前には、化粧水や乳液などでしっかり保湿するようにしましょう。
日焼け止めにはさまざまな種類があり、それぞれにメリット、デメリットがあります。
ここでは、日焼け止めの種類別に特徴や使い方を解説します。
クリームタイプの日焼け止めは、保湿力があり、しっとりとしたタイプです。
化粧下地として使える商品もあるため、日常生活の日焼け対策にも取り入れやすいです。
また、汗や水にも強い耐水性のものもあるため、水に濡れるシーンでも使えるでしょう。
一方、他のタイプよりも落としにくいというデメリットがあるため、クレンジングでしっかり落とす必要があります。
ジェルタイプの日焼け止めは、透明でさらっとしている特徴があります。
さっぱりとした使用感なのでべたつきが気になる方には、ぴったりのタイプです。
しかし、商品によっては、肌の刺激になりやすい紫外線吸収剤が含まれている場合があります。
敏感肌の方は、肌に優しくのびやすいミルクタイプの日焼け止めが良いでしょう。
パウダータイプの日焼け止めは、液体タイプの日焼け止めと違い、メイクの上から紫外線対策ができるメリットがあります。
日常生活でもメイクの上からすぐに日焼け止めの塗り直しができるので、気軽に紫外線対策ができます。
しかし、パウダータイプの日焼け止めには、落ちやすいというデメリットがあるので定期的に塗り直すようにしましょう。
スプレータイプの日焼け止めは、手で塗ることなく、顔や身体に吹き付けることで日焼け対策ができます。
さっぱりとした使用感でスポーツやレジャー時などスピーディーに紫外線対策をしたい方にぴったりです。
しかし、日焼け止めをスプレーすると周囲に飛び散ってしまったり、塗りむらができやすかったりするというデメリットがあります。
日焼け止めで紫外線対策を行うには、目的を考慮して自分の肌に合っているものを選ぶことが大切です。
ここでは、日焼け止めを選ぶときのポイントを解説します。
炎天下での登山やスポーツ観戦などと通勤や買い物などの日常生活とでは、必要な紫外線対策が違います。
季節やシーンに合った日焼け止めを選ぶためには、SPF値やPA値を確認するようにしましょう。
参考値としては長時間の屋外活動を行う際にはSPF値30以上、PA値+++以上のものを選ぶとよいでしょう。
紫外線対策をするには、外出時に忘れずに日焼け止めを塗ることが大切です。
毎日のように使う日焼け止めは、ミルクタイプやジェルタイプなどなどさまざまな種類があるので自分好みの使用感のもので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
近年、紫外線吸収剤が含まれていないノンケミカルタイプの日焼け止めが販売されています。
日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤が肌に合わない方や敏感肌の方は、ノンケミカル製品を選ぶと良いでしょう。
日焼け止めと聞くと日焼け対策の成分しか含まれていないイメージがありますが、日焼け対策をしながら肌を整えられる美容成分が含まれている商品も販売されています。
日焼け止めを選ぶ際には、どのような美容成分が含まれているか確認すると良いでしょう。
前述の通り、日焼け止めの効果を十分に発揮させるには、肌をしっかり保湿することが重要です。
しかし、化粧水や乳液を塗った後すぐに日焼け止めを塗ると、日焼け止めが肌になじみづらい場合があります。
化粧水や乳液を塗った後は少し時間を置いて、保湿成分が肌になじんだ後に日焼け止めを塗るのがコツです。
サングラスや眼鏡をかけることで目が受ける紫外線の刺激を最大で90%もカットできることが分かっています。
ほかにも、日傘を使ったり帽子を被ったりすることで肌の日焼けだけでなく、目が受ける紫外線の刺激を20%程度減少することが可能なのです。
近年、紫外線対策のアイテムがたくさん販売されているのでさまざまなアイテムを組み合わせて活用するのも良いでしょう。
日焼け止めのしくみや選び方についてお分かりいただけたでしょうか。
日焼け止めには、さまざまな種類があり、季節やシーンに合わせて選ぶ必要があるのです。
日焼け止めは、たくさんの商品が販売されています。
日焼け止めの仕組みや正しい使い方を理解し、自分に合ったものを選べるとより、紫外線から肌を守ることができるでしょう。
この記事でご紹介した日焼け止めの選び方を参考にして自分にぴったりな日焼け止めを見つけてください。
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監修者:木村 眞樹子医師 |
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。
妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。