口唇ヘルペスとは?
口唇ヘルペスとは、ヘルペスウイルスが原因で起こる感染症です。唇の周辺にピリピリ、ムズムズなどの違和感が出た後、小さな水ぶくれや腫れができ、多くの場合痛みや痒みを伴います。
健康な人であれば、口唇ヘルペスに感染しても1~2週間程度で治るとされています。ただしヘルペスは再発しやすいのが特徴で、治ったように見えても、ウイルスが活性化し、再び症状があらわれることも少なくありません。
一度感染するとウイルスを完全に排除したり消滅させたりすることはできないため、完治は難しいと考えられています。
ヘルペスウイルスには8種類あり、口唇ヘルペスの原因になるのは主に「単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)」です。皮膚や粘膜を通じて体内に侵入することで感染し、顔の「三叉神経節」に不活性化した状態で潜伏します。そして抵抗力が落ちると再活性化し、三叉神経節から神経細胞の中を通って唇やその周りに移動し、再び発症することがあります。
乳幼児期に初感染した場合、重症化することがありますが、一度感染すると抗体ができるため、再発時の症状は初感染時よりも軽くなるのが一般的です。
単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、自覚症状がない場合でも、唾液や皮膚、粘膜などを介して他人にうつります。直接的な接触だけでなく、タオルやコップなどの共用による間接的な感染も起こるため注意が必要です。
自分のヘルペスウイルスによりほかの部位にうつる「自己感染」も起こります。
口唇ヘルペスは乾燥させたほうがいいって本当?
常に湿った状態だと細菌が繁殖しやすく、炎症を起こしてヘルペスが悪化したり、別の感染症になったりする可能性が高まります。
一方で、乾燥は皮膚のバリア機能の低下を招き、症状の悪化につながりかねません。常に湿っている状態はよくありませんが、無理に乾燥させるべきではないでしょう。
口唇ヘルペスに感染した時のケア方法
では、口唇ヘルペスに感染してしまったらどうすればいいのでしょうか。口唇ヘルペスに感染した時に、自分でできるケア方法を紹介します。
1. 患部を清潔に保つ
口唇ヘルペスを早く治すには、患部を清潔に保つことが大切です。汚れた状態を放置すると、症状の悪化や二次感染につながりかねません。石鹸や洗顔料をしっかりと泡立てて、優しく洗いましょう。
食後は、すぐに患部を拭くなど、意識的に衛生を維持することが重要です。また、舐めることは避けましょう。唾液にはヘルペスウイルスが含まれているため、舐めるとウイルスが増殖し悪化するおそれがあります。
2. 保湿する
乾燥は、皮膚のバリア機能の低下の原因になります。バリア機能が低下すると、ウイルスが活発化し、症状が悪化することがあります。低刺激性のアイテムを使うことが重要です。
たとえば、高濃度ビタミンCや尿素配合のリップクリームなどは、刺激が強く逆効果になるおそれがあります。パラベンなどの防腐剤や香料も刺激となり得るため、無添加のリップクリームやワセリンがおすすめです。
ただし無添加でも使用方法を誤ると、肌への負担になるリスクがあるため、説明書をきちんと読むようにしましょう。
3. 患部をむやみに触らない
口唇ヘルペスは、できるだけ患部を刺激しないことが重要です。むやみに触ると、症状が悪化したり、別の部位にうつったりすることがあります。
たとえば患部を触った手で目をこすると「ヘルペス角膜炎」になることがあります。特にヘルペスの水ぶくれの中には多くのウイルスが存在するため、潰さないように注意しましょう。
やむを得ず患部に触る場合は、手を洗い、ティッシュやフェイスペーパーなど使い捨てのアイテムを使うことが大切です。
口紅やファンデーションなどの化粧も、なるべく控えましょう。化粧品の成分が患部を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
4. かさぶたを無理に剥がさない
口唇ヘルペスの症状があらわれてから、1~2週間後にかさぶたができます。かさぶたは痒みを伴うため、剥がしたくなるかもしれませんが、無理に剥がしてはいけません。かさぶたの中にはヘルペスウイルスが含まれていて、無理に剥がすと、そこからウイルスが広がるおそれがあります。
かさぶたは、細菌の侵入を防ぐ役割を担っていて、無理に剥がすと症状が悪化したり別の感染症を引き起こしたりするリスクがあります。また刺激となり、色素沈着や傷跡が残るリスクも高まります。自然に剥がれるまで待ちましょう。
口唇ヘルペスの再発を防止するには?
口唇ヘルペスの再発を予防するには、抵抗力が落ちないような生活習慣を意識することが重要です。
栄養バランスのとれた食事
栄養バランスに気を配り、皮膚の健康を維持することはヘルペスの再発予防につながります。特にビタミンA(β₋カロテン)やビタミンB2、ビタミンCを積極的に摂取しましょう。
皮膚の生成や保護にかかわるこれらの栄養素を習慣的に取り入れることで、ヘルペスの一因であるバリア機能の低下を防ぐ効果が期待できます。
・ ビタミンA(β₋カロテン)が豊富な食材
・ ビタミンB2が豊富な食材
・ ビタミンCが豊富な食材
また近年の研究では、虫歯の原因菌「ミュータンス菌」が分泌する物質が単純ヘルペスウイルス1型の感染を促進することがわかっています。緑茶などに含まれる「カテキン」にはミュータンス菌を抑制する働きがあるとされています。緑茶を飲むことを習慣にすると、口唇ヘルペスの再発予防に役に立つ可能性があります。
十分に睡眠をとり、無理をしない
睡眠不足になると、抵抗力が落ち、ヘルペスの再発につながります。風邪をひかないように、疲れた時は無理をせず、休むことも重要です。またストレスによる自律神経の乱れは、免疫機能の低下を招き、ヘルペスが再発する原因となります。ストレスは溜め込まず、適度に発散しましょう。
紫外線対策
紫外線を浴びると、皮膚のバリア機能が低下し、ヘルペスを再発しやすくなります。また紫外線は、ヘルペスウイルスを活性化させる可能性が示唆されています。日頃から防止や日焼け止めを使って紫外線対策をしっかりと行いましょう。紫外線カット効果のある薬用リップクリームを使用するのも、おすすめです。
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まとめ
口唇ヘルペスはウイルスが侵入し、活性化することで発症します。ウイルスが増殖する前に適切な対処をすることが重要です。ヘルペスに感染した可能性がある場合、症状があらわれていなくても抗ウイルス薬などを使用することで重症化を防げる可能性があります。
ヘルペスは熱の花とも呼ばれ、風邪で熱が出た後など抵抗力が落ちたタイミングで再発することが多いです。そのためヘルペス予防には普段から規則正しい生活を心がけることも重要です。
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監修者: 松澤 宗範医師 |
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 新宿院院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 院長
2024年7月 肌管理クリニック
2025年12月 アウラニクリニック統括院長